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  二次創作の文を置いてます。 駄文ばかりに付き読後の苦情はご勘弁を。 コメントのパスワードは「君に届け」です。
                       
   
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AAA、とうとう#30ですよー。
何とか、ちょっといきなりな感じは拭えませんが
かなり無理から終わらせました。
なんか30でキリもいいしなーと。
サブタイトルもなんのひねりもなく「団円」で。
最後、「Answer And Answer」にかけて
答え(応え)と答え(応え)みたいな感じで終わらせていただきました。
最後までお付き合いくださった方ありがとうございました。
ちょっと長かったよねー。

そんなわけでよろしかったらおひとつ。



拍手[8回]

   

   


30 団円

あの時三手に別れた私達は三組の恋人同士になり有意義な高校生活を送った。
あれから2年あまり、何もなかったといえば嘘になるのだけれど
今日こうして卒業の日を迎えて振り返ってみれば
本当に素晴らしい高校生活を送ることができたと胸を張って言える。

私と風早先生のことはみんなにバレることもなく平穏に三年間が過ぎた。
二年になっても相変わらず先生はモテモテで告白されてたけど
「好きな人がいるんだ。
 その人のこと大好きだし、その人しか好きになれないんだ。」
と言って断るようになったらしくて
「風早先生は大恋愛中。」との噂が流れて
私達が三年になる頃には告白されることも殆どなくなったみたい。
私が思うに誰も私が風早先生の想い人だなんて思わなかったんだろうな。
それも頷けるっていうか、私も未だに高校入学から夢オチだったりとか
思ったりしなくもなくもなかったりして。


程なくそれぞれの進む道も決まり
あやねちゃんと三浦くんは東京、
ちづちゃんと先生は北幌、
私と真田くんは札幌と
結構離れ離れになることになった。

やっと教師と生徒でなくなったのに遠距離恋愛することになってしまった。

ちづちゃんが「あたしが風早のことはちゃんと見張っとくから!」って
言ってくれて、あ、そうじゃなくてももちろん先生のことは信じてるし、
離れたからって不安に思ったりなんてしてはいないんだけど
でもやっぱり今までみたいには会えないんだと思うと
寂しくなるんじゃないかなって思ったりも・・・。


大学生活が始まると
ほぼ毎週末、先生は車で私のところに来てくれて
平日もLINEや電話をくれて、
「私が寂しくないように、すごく頑張ってくれてるんだね、先生。」と言ったら
「んー、どっちかって言うと俺が黒沼不足になるからなんだけどね。」
と言ってくれた。
「あと、もう黒沼は生徒じゃないんだから先生は禁止ね!」とも言われて
今、『翔太さん』と呼ぶ練習を頑張ってるんだけど、
やっぱり思わず先生って呼んでしまう。

先生はこれ以上ないくらい頑張ってくれている。
分かっていてもやっぱり寂しいと思ってしまう。
わがままなのは分かってる。
遠距離恋愛になるのが分かってて
私が自分の進みたい大学に進学したのに
そんなこと言っちゃいけないって分かってる。
だから言わないけれど、寂しい気持ちはどうしようもない。


私がやっと翔太さん呼びに慣れてきた大学二年の冬、
いつものようにみんなで二年参りをした帰り道
自然に手をつなぎ並んで歩く。

「実は俺、来年度から札幌の高校に転勤になって・・・。」
と翔太さんが話し始めた。
「え!?札幌?あ、じゃあお部屋を探さないとだね!」
と言えば翔太さんが
「うん。それでさ、二人で住む部屋を探したいと思ってるんだけど・・・。
 あ、もちろん黒沼が良かったらなんだけど・・・。」と言った。

「え?そ、それは・・・。」
同じ札幌でそれぞれ部屋を借りるより少し大きめの部屋を
一つ借りて一緒に住むほうが経済的・・・
ではあるけど、多分そういうことじゃないよね。
わ、私達はこ、恋人同士・・・で、
一緒に住むって言うことは・・・
ど、ど、同棲・・・しようと、そういうこと?
でも・・・そうすればずっと一緒に居られるんだ・・・

「もちろん大学は卒業するまで行ってもらうつもりだし、
 その先だって黒沼のやりたいことをやってもらいたい。
 俺と結婚することで何かを諦めることになるんなら
 今じゃなくてもいいんだ。」

「え?け、結婚?」

「やっぱり結婚するには黒沼はまだまだ若いし無理ならそう言って。
 いつまでだって待つから。
 ただ、せっかく黒沼がいる札幌に転勤になったから
 この機会に一度考えてくれたら嬉しいと思って。」

あああ、そうだよね。
風早先生は同棲なんて考えないよね。
風早先生は聖職者で頑固なくらい真面目なんだもの。

いつかは結婚する約束だったけど
まだもう少し先のことだと思ってた・・・。
でも、もういつでも側に居たいって思ってるのも本当で・・・。
私の中で断る理由なんて一つも見つからない。
それに風早先生は今年30歳だもの
全然早くないよね!

「私、風早先生と結婚して一緒に暮らしたいです!」

「ホントに!?ありがとう!!
 あ、でも『風早先生』はバツだなー。
 結婚したら黒沼も風早になるんだから。
 あと『先生』もダメー。」

「そういう翔太さんも私のこと『黒沼』って呼んでちゃダメですよ。」

「あ、ホントだ!黒沼じゃなくなるんだもんな・・・。」
そう言ってつないでいた手をギュッと握りしめてくれた。


お父さんにはやっぱり
「早くないかい!?」って泣かれちゃったけど
それ以外はお家探しも式場探しもびっくりするくらいスムーズに出来て
3月の大安吉日・・とはいかなかったけど友引のある日、式を挙げました。
近い親戚とちづちゃんと真田くん、あやねちゃんと三浦くん、それとピン先生が
私達二人のお祝いに集まってくれました。
大好きな人達に囲まれて
一番大好きな翔太さんと迎えた晴れの日。

神父様の「永遠の愛を誓いますか?」の問いかけに
翔太さんの「誓います。」って答えと
私の「誓います。」って答えが
教会にこだました。
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