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  二次創作の文を置いてます。 駄文ばかりに付き読後の苦情はご勘弁を。 コメントのパスワードは「君に届け」です。
                       
   
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「光の雨が降る夜に」これで完結とさせていただきます。
合コンでお持ち帰りするとこから始まる風爽のつもりが
まだ何にも始まらないまま終わってしまった。
ううむ、何が書きたかったのか・・・。

とりあえず終わりでーす。
よろしかったらおひとつ。



拍手[6回]

   

   

6 黒沼さんの誤解


田中と黒沼が住む部屋に着くと
田中と一緒に菅原も待っていた。

菅原は俺の顔を見るなり幸せそうにニマっと笑った。

「菅原、うまくいったみたいで良かったな。」と俺が言うと

「風早のおかげだよ、ありがとう。」と答えた。

「俺のおかげっていうか、もともと田中も
 菅原のこと好きだったって聞いたんだけど。」 
 
「えっ!?やだ、爽子!そんなこと風早に言ったの?」
と田中があわてた。

「ご、ごめんなさい、ゆかりちゃん。
 風早くんも菅原くんのこと気にしてて
 私もゆかりちゃんのこと気になってたものだから
 なんか成り行きで言ってしまって・・・。」
 
「そっか・・・ふたりとも私達のこと気にしてくれてたんだね。」

「・・・ところで、一つ訊いてもいいかな、田中。」

「え?なに、風早。」

「田中、今日の合コンをするのに俺の参加を条件にしたって
 菅原から聞いてたんだけど・・・その、なんでかと思って・・・。」

「ああ、だって私の大事な友だち4人を頼み込んで参加させるのに
 せめて風早くらいのイケメンが一人くらいいないと
 私が私の友達に申し訳ないからだよ。」

それを聞いて菅原が
「そうだったんだ・・・俺、田中は風早のこと好きなのかと思ってた。」
と言ったから田中が焦った顔して否定した。

「え?えええっ!?ち、違うよー!!
 ・・・でも、そうだよね・・・そう思っても仕方なかったよね。
 ーーでも違うから!!」

「風早にもそうだって言ってたから黒沼さんと二人で抜けて
 彼女できたフリしてくれたんだろ?
 風早がそこまでしてくれるとは思ってなかったよ。
 ありがとな、風早。黒沼さんも巻き込んでゴメンな。」
と菅原が言って、そういえばそんなこと言ってたなと思い出す。

・・・いや、これ・・・俺が芝居のために
黒沼利用したみたいなことになってるよな・・・。

「ち、ちょっと待って!!違うから!!」と今度は俺が焦って否定する番だ。
「そういえばそんなこと菅原が言ってたけど、
 俺はそんな事するつもり全然なかったし
 黒沼と抜けたのは俺がそうしたかったからで
 彼女できたフリとかじゃないから!!」
そう言って黒沼を振り返ったら黒沼が一言言った。

「風早くんってすごく友達思いなんだね!!」
なんか目をキラキラ輝かせて胸元できゅっと手を握って。

それって菅原の言葉を聞いてのセリフだよな。
俺が必死に否定したの全く通じてなくない?

「私と菅原のためにしてくれたのはありがたいけど
 でもそれって・・・爽子を騙したってことなの?」
って田中が言うからもう一度思いっきり否定する。
「だから!!!違うって!!!
 俺がほんとに黒沼を好きになったんだよ!!!」

三人共鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして固まった。

最初に口を開いたのは菅原だった。
「か、風早が・・・黒沼さんを・・・えええ~っっ!!」

次に田中が
「か、風早・・・あんた・・・女見る目あるね!!」と。
田中はほんとに黒沼大好きなんだなあ。

そして最後に黒沼が言った。
「風早くんってホントに友達思いなんだね!」と。


違うそうじゃないってどれだけ言ったところで
現段階で黒沼には伝わらないだろう。
もっと時間をかけて分かってもらうしかないんじゃないだろうか?

がっくりと項垂れる俺の肩を菅原がポンポンと叩いた。
「なんだよ、うまくいった男の余裕?」と言えば
「いやいや、うまくいったのは全て風早のおかげだから
 なんか大変そうだけど協力は惜しまないぜ!」と菅原。

「爽子を手に入れたいならそのくらいの苦労は当然だからね。」
と田中。慰められたんだか激励されたんだかよくわかんないけど
いちおう応援はしてくれているみたいだ。

「でもさー・・・そんなすごい雨ほんとに降ったの?」って
田中はまだ疑ってるみたいだけど多分俺が言っても信じてくれないのかも。

「ホントだよ!最初、光の雨が降ってきたと思ったら、本物の雨で
 雨だと気づいた一瞬あとには豪雨になって5分足らずで止んだの。
 なんかもうポカンとしちゃって、でもふたりともずぶ濡れでね~。
 風早くんの部屋が近くで良かった。
 あのまま帰ってきてたら風邪引いてたと思う。」と
黒沼が言ったら田中も信じてくれたみたい。

「ホントなんだー。でも、今回は非常事態だから仕方ないけど
 男子の部屋にのこのこ上がったりしちゃダメなんだからね!!」って
きっちり黒沼に釘を差した。

それに答えて黒沼が言った。
「大丈夫だよ。実は私、風早くんと同じ高校でずっと見てたから知ってるんだよ。
 風早くんはすごくいい人だから・・・だから大丈夫なんだよ、風早くんなら。」

「え、それって・・・。」と言いかけたがどうなんだろうと口をつむぐ。
俺は知らなかったけど、黒沼は俺の存在を知っていてずっと見てくれてて
いい印象を持ってくれている・・・けど好きだとかいうのとはちょっと違うみたい。

「俺は高校のときは黒沼のこと知らなかったけど、今日初めて会って
 今日限りにはしたくないって思ったんだ。
 だから、えっと、とりあえず友だちになってくれるかな?」と言えば
「え!?私を風早くんの友達に加えてくれるの!?ありがとう!!」と
すごく喜んでくれているみたい。
うん、だからまあいいんだよ、とりあえず。

ちょっとすんなり行きそうにない。
そんな俺の初めての片思いが始まった
光の雨が降る夜に。
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