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  二次創作の文を置いてます。 駄文ばかりに付き読後の苦情はご勘弁を。 コメントのパスワードは「君に届け」です。
                       
   
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25歳の風早くんがもう一度高校一年からやり直す話
「T.N.G」
思い出せたでしょうか?

その14「手を繋ぐのって・・・」です。
どうもご無沙汰しておりました!

ではではよろしかったらおひとつ・・・



拍手[10回]

   

   


14 手を繋ぐのって・・・


高校に入ったらクラスに馴染めるようになったらいいなとか
友達と呼べる人ができたらいいなとか
入学前には思っていたのだけれど
名前で呼び合える友だちと
当然のように一緒に帰れるようになるとか
まさかまさか彼氏と呼べる人ができるとか
全く考えもしなかったものだから
本当に夢みたいに幸せな日々を過ごしてる。
そして今まさにちづちゃんとあやねちゃんと
3人で帰宅途中。

彼氏になってくれた風早くんは
とても爽やかで感じのいい
気持よく「ありがとう。」って言える人で
友達も多くてクラスの人気者で
知れば知るほどすごく素敵な人で
どう考えても私には勿体無い人です。

中学も同じだというちづちゃんに
中学時代の風早くんのことを
いろいろ教えてもらったんだけど
中学では風早くんは野球部だったそうで
部活動にとても打ち込んでいたらしいのだけれど
高校では部活には入らないらしい。
どうしてなのかな?
野球、嫌いになっちゃったのかな?

それから、女子にモテモテだったって聞いた。
でも中学時代は付き合うとかはしなくて、
女子から告白されることもあったのに
断ってばかりだったらしい。

ちづちゃんは
「風早は女に興味ないんだと思ってたけど
 爽子に出逢って目覚めたんだな!
 うん、あいつ女見る目あるよな!」
なんて言ってくれたけど
私に今まで恋愛に興味のなかった風早くんを
目覚めさせるほどの魅力なんてあるわけないと思う。

「風早くんは私のどこを好きになってくれたのかなあ?」
と、ポツリと呟けば、
「そりゃあ爽子のいいとこって言ったら
 ピュアホワイツなとこでしょ!」とちづちゃんが応えてくれた。

「え?ピュアホワイツ?」

「汚れのない優しさと強さってとこかしらね。」とあやねちゃん。

「そ、それは褒め過ぎなんじゃ・・・。」

「そんなことないと思うわよ。
 爽子のそういうところが風早を惚れさせたんだと思うもの。」

「ほ、惚れさせるっ!?」

「なにビックリしてんのよ、好きだって言われたんでしょ?」

「で、でも・・・私はなんにも好きになってもらえるようなこと
 してないし・・・なんでかなあって・・・。」

「そんなの単に爽子が風早の好みだったってことじゃないの?」

「私が好みだなんてそんなこと・・・。」

「なんでさ!あたしらだって爽子のことが大好きなんだから、
 風早が爽子を好きなのは全然おかしいことじゃないんだよ!」

「ち、ちづちゃん!ありがとう~、私もちづちゃんが大好き~。」

「で、爽子はなんか成り行きで風早と付き合ってる感じなんだけど
 爽子は風早の事好きなの?」

「え?すっ、好き・・・だよ。
 確かに最初は風早くんに言われるままにお付き合いを始めたけれど
 今は私も風早くんのこと大好きだって思ってお付き合いしてるよ。」

「でも、あんまり話してるとこも見ないし、
 帰りもいつもあたしたちと一緒だし・・・。
 あ、そういえばこの間、たまには彼氏と帰ってあげたらって言って
 『私から一緒に帰りたい』って言ってもいいかなあとか言ってた・・・
 あの日、誘って一緒に帰ったんでしょ?どうだったの?」

あやねちゃんに訊かれてあの日のことを思い出した。

風早くんに好きだと言われてから
私は風早くんを意識してしまって
気になってみているうちにどんどん好きになってしまった。
ほんとにどうしてこんな素敵な人が
私を好きになってくれたんだろうと不思議に思うばかりだった。

たしかにあやねちゃんが言うことももっともで
私たちはお付き合いしているはずなんだけど
いつも一緒に居るわけでも
いっぱいお話するわけでもなく、
ましてや休日にふたりで会うなんてこともなくて・・・

もしかしたら付き合ってみたら
風早くんが思っていたような私じゃなかったとか
実は後悔してたりしたらどうしようとか思っていた。

でも風早くんを誘ってみたら
心よく一緒に帰ってくれて
しかも私と手を繋ぎたいなんて言ってくれて・・・。

まさか手を繋いで一緒に帰るなんて
そんな恋人っぽいことが出来るなんて思いもしなくて
ドキドキしたなあ・・・って思い出していたら

「なになに?何かあったの、爽子!真っ赤になって!!」
と、あやねちゃんに見咎められてしまった。

「え?なに!?風早、爽子になんかしたの!?」って
ちづちゃんは風早くんのところに殴りこみにでも行きそうな勢いだ。

「な、なにもしないよ!!」と否定してみるけれど
顔がどんどん赤くなってるのが自分でも分かる。

「何もされてないのになんでそんな真っ赤なのよー。」

「何も・・・嫌なことはされてないからっ!」

「「え?」」

「「ま、まさか・・・キス・・・とか?」」
 
「キ・・・と、とんでもないそんな!!」

「じゃあ・・・抱きしめられたとか?」

「いや、あの、・・・手を繋いだ・・・の。」

「なーんだー。手ぐらい龍と幼稚園から繋いでるっての!!」

「ちづったら、幼稚園児が手を繋ぐのとはわけが違うわよ!」

あ、あれ?
手を繋ぐのって・・・恋人らしい出来事じゃ・・・なかったのかな?
私は・・・嬉しかったんだけどなあ・・・。
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