4月から大学生になった俺と黒沼はお互い一人暮らしをしている。
離れたところに住んでるから思ってた以上になかなか会えない。
とはいえまだ一月しか経っていないんだけど。
ゴールデンウィークには会えるかと思ってたんだけど
生活費のために始めたバイトが客商売だから
始めて早々の祭日に休ませてもらえるワケもなかった。
黒沼の方も家庭教師のアルバイトを始めたとか
課題が多くて追われてるとかかなり忙しそうだ。
黒沼が追われるとか、一体どんだけ課題が出るんだろうとちょっと慄いた。
電話やメールではかなり頻繁にやり取りしてはいるが
大学に入ってからまだ一度も会えていない。
あんまり会えないのは覚悟していたつもりだったけど
やっぱり会いたい。
黒沼らしい可愛いメールを貰ったり
癒される声を聞いたり
それだってかなり嬉しいんだけど・・・。
やっぱり会いたいんだ・・・。
そう思ってたら俺の誕生日に黒沼が会いに来てくれるってメールが来た。
急なことだから俺の都合が悪かったら
プレゼントだけ届けて帰るとか書いてあって、
黒沼は俺がどれだけ黒沼のことを好きか
まだまだ全然分かってないなあって苦笑する。
せっかく遠いとこ黒沼の方から来てくれるっていうのに
俺の予定なんて全部キャンセルに決まってる。
**********
俺の誕生日当日、俺が通う大学の最寄り駅で正午に待ち合わせだ。
とは言え黒沼のことだからかなり余裕を持って来ると思うから
絶対それより前に待ち合わせ場所に行く。
大学の最寄り駅で黒沼を待たせるなんて冗談じゃない。
絶対ナンパされる!
高校時代はなんか変な噂で黒沼のこと無意味に怖がってる奴とかも多くて
黒沼の可愛さに気づかない奴が多かったんだけど
大学はそうは行かない。
高校時代だって黒沼は逢うたびどんどん可愛くなってたし
今日なんて大学生になって一月半も逢わなかったんだ。
またどれだけ可愛くなってるか想像もできない。
11時過ぎに駅についたというのにもう黒沼は待っていた。
まだちょっと距離はあるのにひと目で分かった。
駆け出そうとしたその瞬間、近くに居た男が黒沼に声をかけた。
俺の目の前で黒沼をナンパするとかなんて奴だ!
全速力で黒沼の元へ走って行って「黒沼!!」と声をかけたら
「風早くん!」って言って振り向いた笑顔がやっぱり物凄く可愛い。
「よかった。今道をきかれたんだけど私はこの辺り全然わからないから
風早くん、教えてあげてくれるかなあ?」
「あれ?風早・・・もしかしてこの娘、風早の彼女だったりして・・・。」
「お前、木下じゃないか・・・。そうだよこの娘は俺の彼女なの!
お前、道がわからないって?」
「あははは・・・いや~、さすが風早、彼女レベル高いなあ。
これからデートか?いいなあ~、じゃあな~。」
「・・・あれ?あの・・・道がわからなかったんじゃ・・・?」
「あんなの嘘だから!!
これから道訊いてくる男とか居てもわからないって言って断っていいから。
間違っても一緒に行って案内とかしなくていいから!」
「それにお友達だったんじゃないの?」
「そ!おんなじ大学のやつ。だからこの辺は良く知ってんの!!」
「・・・・風早くん・・・久し振りだね!
一月半会わなかっただけなのに・・・凄く大学生って感じで
大人っぽくなって・・・前からカッコ良かったけど
更に眩しいくらいにカッコ良くなってしまって・・・どうしよう~。」
「そんなの黒沼のほうがだよ!
ほんとに会うたび可愛くなってて・・・困るよ!」
「え?ええ~、そんなこと絶対ないよ!!」
「さっきの奴もレベル高いって言ってただろ?
そういうことなんだよ。」
「そんなの、お友達だからお世辞言ってくれたんだよ。」
俺がどんなに可愛いと思ってるかなんて
きっとどれだけ言っても
自己評価の低い黒沼には伝わらないんだろう。
そんなことで言い争うのは勿体無い。
だって夕方にはまた黒沼は札幌に帰らなくちゃならないんだ。
「・・・じゃあ、行こっか。」
俺と黒沼は俺の部屋に向かって歩き出した。
離れたところに住んでるから思ってた以上になかなか会えない。
とはいえまだ一月しか経っていないんだけど。
ゴールデンウィークには会えるかと思ってたんだけど
生活費のために始めたバイトが客商売だから
始めて早々の祭日に休ませてもらえるワケもなかった。
黒沼の方も家庭教師のアルバイトを始めたとか
課題が多くて追われてるとかかなり忙しそうだ。
黒沼が追われるとか、一体どんだけ課題が出るんだろうとちょっと慄いた。
電話やメールではかなり頻繁にやり取りしてはいるが
大学に入ってからまだ一度も会えていない。
あんまり会えないのは覚悟していたつもりだったけど
やっぱり会いたい。
黒沼らしい可愛いメールを貰ったり
癒される声を聞いたり
それだってかなり嬉しいんだけど・・・。
やっぱり会いたいんだ・・・。
そう思ってたら俺の誕生日に黒沼が会いに来てくれるってメールが来た。
急なことだから俺の都合が悪かったら
プレゼントだけ届けて帰るとか書いてあって、
黒沼は俺がどれだけ黒沼のことを好きか
まだまだ全然分かってないなあって苦笑する。
せっかく遠いとこ黒沼の方から来てくれるっていうのに
俺の予定なんて全部キャンセルに決まってる。
**********
俺の誕生日当日、俺が通う大学の最寄り駅で正午に待ち合わせだ。
とは言え黒沼のことだからかなり余裕を持って来ると思うから
絶対それより前に待ち合わせ場所に行く。
大学の最寄り駅で黒沼を待たせるなんて冗談じゃない。
絶対ナンパされる!
高校時代はなんか変な噂で黒沼のこと無意味に怖がってる奴とかも多くて
黒沼の可愛さに気づかない奴が多かったんだけど
大学はそうは行かない。
高校時代だって黒沼は逢うたびどんどん可愛くなってたし
今日なんて大学生になって一月半も逢わなかったんだ。
またどれだけ可愛くなってるか想像もできない。
11時過ぎに駅についたというのにもう黒沼は待っていた。
まだちょっと距離はあるのにひと目で分かった。
駆け出そうとしたその瞬間、近くに居た男が黒沼に声をかけた。
俺の目の前で黒沼をナンパするとかなんて奴だ!
全速力で黒沼の元へ走って行って「黒沼!!」と声をかけたら
「風早くん!」って言って振り向いた笑顔がやっぱり物凄く可愛い。
「よかった。今道をきかれたんだけど私はこの辺り全然わからないから
風早くん、教えてあげてくれるかなあ?」
「あれ?風早・・・もしかしてこの娘、風早の彼女だったりして・・・。」
「お前、木下じゃないか・・・。そうだよこの娘は俺の彼女なの!
お前、道がわからないって?」
「あははは・・・いや~、さすが風早、彼女レベル高いなあ。
これからデートか?いいなあ~、じゃあな~。」
「・・・あれ?あの・・・道がわからなかったんじゃ・・・?」
「あんなの嘘だから!!
これから道訊いてくる男とか居てもわからないって言って断っていいから。
間違っても一緒に行って案内とかしなくていいから!」
「それにお友達だったんじゃないの?」
「そ!おんなじ大学のやつ。だからこの辺は良く知ってんの!!」
「・・・・風早くん・・・久し振りだね!
一月半会わなかっただけなのに・・・凄く大学生って感じで
大人っぽくなって・・・前からカッコ良かったけど
更に眩しいくらいにカッコ良くなってしまって・・・どうしよう~。」
「そんなの黒沼のほうがだよ!
ほんとに会うたび可愛くなってて・・・困るよ!」
「え?ええ~、そんなこと絶対ないよ!!」
「さっきの奴もレベル高いって言ってただろ?
そういうことなんだよ。」
「そんなの、お友達だからお世辞言ってくれたんだよ。」
俺がどんなに可愛いと思ってるかなんて
きっとどれだけ言っても
自己評価の低い黒沼には伝わらないんだろう。
そんなことで言い争うのは勿体無い。
だって夕方にはまた黒沼は札幌に帰らなくちゃならないんだ。
「・・・じゃあ、行こっか。」
俺と黒沼は俺の部屋に向かって歩き出した。
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