予定通り5月15日11:45、黒沼の通う大学の校門に到着した。
待ち合わせ時間の30分前、講義なんだから早く来るわけないんだけど
やっぱり30分前から待ちたいんだ、今までどおり。
ここに立ってまだ3分くらいかな、なんだか凄く見られてる気がする。
校門を通る、三人組の女子に。
なんだろう、びっくりしたって顔で。
10分ほどしてから、さっきのびっくり顔の3人組が戻ってきた。
「あのー・・・」
「え?俺ですか?」
「間違ってたら申し訳ないんですが、もしかすると風早君・・・ですか?」
「え・・・はい。俺、風早だけど、俺のこと知ってるの?
多分初対面かと思うんだけど・・・」
「やっぱりですか!あんまり想像通りで!!
絶対風早君だって三人共思ったんで、コレは確かめなくちゃって!!
あたしたち、教育学部の黒沼爽子の友達なんです!」
「あ、黒沼の友達なんだ・・・。え・・と、俺のこと黒沼からきいてたんですか?」
「聞いてたなんてもんじゃないですよー!
最近じゃ1日に2、3回は風早君の話題でますから!
でなきゃ会ったこともない友達の彼氏の名前なんて覚えてないし、
一目見てこの人に違いないって三人共が思ったりしないでしょ!」
「え!そ、そうなんだ!なんか申し訳ないな・・・
そんなに聞いてたら嫌だったりしなかった?
なんかごめんね・・・」
「あははー!嫌なわけ無いじゃん!
爽子、ほんとに好きなんだなーって、もう可愛くて!!」
「え・・・、あ、ありがとう。
さすが黒沼の友達だなー。」
「うん、あんたもさすが風早君って感じ!!」
「あははは・・・、なんだよそれ!」
「あれー?風早君と・・・陽子ちゃんたち、なんで?」
あ、黒沼!あー、久しぶりだなー!!
「あ、爽子!あたしたち偶然、風早くん見ちゃったよ!
もー、爽子のおかげですぐ、爽子の風早君だって分かっちゃったー!!」
「え!『爽子の風早君』だなんて、なんか恥ずかしいな・・・」
「今更よく言うよ、もー!じゃあね!ふたりでごゆっくりー!」
黒沼の友達が行ってしまって、俺と黒沼の二人で校門の前に取り残された。
なんだか照れるな、どうしてだろう・・・
「か、風早君、来てくれてありがとう!
お誕生日おめでとう!」
ああ、黒沼、やっぱりまた綺麗になってる・・・
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