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二次創作の文を置いてます。 大したこと無いモノしかありません。 読後の苦情はご勘弁を。
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珍しく一気に投稿です。5話で完結です。
二人共同じ大学に通う大学生で
爽子ちゃんがシンガーソングライターと言う謎設定です。
1 黒沼爽子は憧憬する。
2 風早翔太は失言する。
3 風早翔太は特攻する。
4 黒沼爽子は白状する。
5 風早翔太は脱力する。








1 黒沼爽子は憧憬する。


彼は結構有名人だった。

私の通う大学で同じ学年なら彼を知らない人はあんまり居ないかもしれない。
私とは真逆で人気者の彼の名前を知ることなんて簡単だった。
だってみんなが彼を呼んでいるから。

爽やかでかっこいい彼は名前まで爽やかで、風早くんというらしい。

話したこともないけれど風早くんの言動を見聞きしていただけで
私は風早くんが好きになった。
こんなのアイドルに憧れるミーハーな気持ちと同じだと思いもしたのだけれど
たまたま風早くんはTVでしかお目にかかれないアイドルではなくて、
同じ大学にいる、ちょっと頑張って手を伸ばせば触れることだって
出来てしまうかもしれない人だったから、
あこがれや尊敬だった気持ちはいつの間にか
恋というものなのかもしれないものになってしまった。

私の気持ちが恋だからといって、いきなり風早くんと恋愛しようと思うほど
私はポジティブにはなれなくて・・・
どう考えたって私と風早くんとは釣り合わない。
どんなに想像力を豊かにしたって風早くんが私の彼氏になるとか有り得ない。
それでも風早くんを想って、こっそり盗み見るくらいは
迷惑にならないんじゃないかなって思って。
趣味の曲作りで想いを歌にしたっていいかなって思って。
曲を作ろうと思ったのは、私の想いが届けることのない想いだと
思っていたからこそだったかもしれない。

風早くんを見かけるたびに彼が何をするのか、どんな話をするのか知りたくて、
こっそり後をつけてみたりしていたら、彼のバイト先を知ってしまった。
ファミレスだったから、お客さんで行けば迷惑にはならないだろうと
通うようになって、この時ばかりは前から彼を見ることが出来て幸せだなと思う。
忙しい思いをさせては申し訳ないので
比較的暇そうな時間を選んで通うようになった。

頼んだメニューをタイトルにその時の気持ちを曲にするのが楽しくて、
最初に作った曲がちょっと良く出来たな、なんて嬉しくなって、
誰でもいいから誰かに聞いて欲しくて、勉強の合間に聞いていたラジオ番組に
データを送ってみたら、幸運にも番組で流してもらえて、予想外に沢山の人に
共感してもらえて・・・なんだか成り行きでCDデビューしてしまった。
デビュー曲は「ミルクティー」、二曲目は「アイスクリームパンケーキ」、
三曲目を今作っていて、タイトルは「チョコレートパフェ」の予定。
今度の日曜にレコーディングすることになってるの。
地方のラジオ局を中心に少し人気があるっていう程度なので
それほど多くの枚数作るわけでもないから、
これで稼げるというようなものではないのだけれど
私にとって大学時代の良い思い出になるなーなんて・・・。

今日も風早くんのバイトしてるファミレスに行って
隅っこの席から働く風早くんを盗み見ながら歌詞を書こう。

「チョコレートパフェ」の歌詞はもう出来ているけど、
また次回作用にとポツポツと歌詞を書いていく。
レコーディングまでは「チョコレートパフェ」の気持ちで居るために
注文するのも「チョコレートパフェ」にするつもり。

今日は月曜日で風早くんがバイトする日。
たまにイレギュラーはあるけど、基本的に
月、水、金は風早くんがシフトに入っている。
もうかれこれ一年通っているのでそのくらいは知っている。
だから私は火、木、土を家庭教師のバイトに当てている。
風早くんを知ってから私の生活は風早くんを中心に回り始めたと言ってもいい。
家庭教師のバイトも生活費のためというよりは、
ファミレスに通うためにやっているようなものなのだから。

他の人から見れば叶うわけのない恋をして
毎日をその人のことでいっぱいにしている私の生活を
不毛だと思うかもしれないけれど
私は今まで生きてきた中で風早くんを知ってからのこの一年が
最も充実した時間だと感じている。

予定通り3時に風早くんが働いているファミレスについて、
隅っこの席へと歩きながら、風早くんの存在を確認する。
ふと風早くんと目が合ったような気がして、焦って視線をそらす。
この席に座るようになってから
風早くんがお水を持って来てくれることが多い気がする。
この席は風早くんの担当とか決まってたりするのかな?
風早くんにお世話をかけるのは申し訳ないけれど、
やっぱり嬉しいって思ってしまう。

今日も風早くんがお水を持って来てくれた。
いつもは、
「いらっしゃいませ。ご注文がお決まりになりましたら
 そちらのボタンでお知らせください。」とか、
「ご注文はお決まりですか?」とかいうのに、今日は、
「いらっしゃいませ。今日もチョコレートパフェですか?」
って言ったのでびっくりした。

心臓が止まるかと思った。
私が何度もチョコレートパフェを頼んでいることを
まさか風早くんが知っているなんて!
思わず風早くんの顔をまじまじと見つめてしまい
我に返って顔が火照るのが恥ずかしくて視線を下にそらせて
「は、はい。お願いします。」となんとか言った。

どうしよう・・・私、風早くんに
『頻繁に一人でチョコレートパフェ食べに来る変な女』とか思われてるのかな・・・
チョコパ1つで2時間も3時間もいて、時々無心にパソコン打ってる女なんて
やっぱりどう考えたって変な女だよね・・・
今の私の生活でここに来る時間が唯一の楽しみと言っても過言ではないのに
さすがに変な女だと思われてるのに、今までどおりここに通えるほど
厚顔無恥にはなれそうもないよ。
曲作りもできなくなってしまうかもしれないな・・・
そんなことを思っていたら風早くんがパフェを持って来てくれた。

「お待たせしました。その・・・すいません、変なこと言っちゃって・・・」
って謝られてしまった。
「あ、いえ・・・私が度々チョコレートパフェ頼んでること・・・
 ご存知だったんですか・・・」
もう消えてしまいたい気持ちでそう言えば、
「いつも来てくれるから嬉しくてつい・・・その・・・他意はなくて
 変に思わないで欲しいんだけど・・・
 出来ればこれからもチョコパ食べに来てください。
 ホントに貴女が来てくれるの、すっげー嬉しいんです、俺!」
って、なんだか一生懸命言ってくれるから、
『あー、私、風早くんとお話してるんだ―!』って嬉しくなって
「・・・・・ありがとうございます。・・・これからも来させてもらいます。」って言ったら、
「よかったー。」って風早くんが爽やかな笑顔で笑ってくれて、
私も顔がにやけちゃって・・・
私ったら風早くんの顔見知り程度には
もしかしたらなれちゃったのかもしれない!・・・なんて・・・

嬉しくって思わず今日は歌詞がどんどん湧いてきて
ルンルン気分でパソコン打ってたら、
気がついたら店内が混みだしていた。
うっかりいつもより長居をしてしまったみたい。
慌ててパソコンを鞄にしまい、お釣りの手間をおかけしないようにと
小銭でちょうどの金額を用意したと思ったら、500円硬貨を落としてしまう。
今日はどうにもテンパってしまっているみたい。
硬貨を追いかけたら、ちょうど通りかかった風早くんが拾ってくれた。
「はい。」と、500円硬貨を渡されて、「お会計ですか?」と聞かれたので、
「わ、わ、わ・・・・そーです。もう帰りますー!」といえば、
キャッシャーに風早くんが入ってくれるみたいなので、
急いで席に取って返し、残りの硬貨と伝票と鞄をひっつかんで
キャッシャーに急いだ。

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