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二次創作の文を置いてます。 大したこと無いモノしかありません。 読後の苦情はご勘弁を。
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今回ちょっと長め(当社比)

でもいつも通り、風早君と爽子ちゃんの
会話多めなので、読み応えはさほど無いと思われます。






6 黒沼にとっては、ただこの部屋を借りたヤツってだけだよな、俺。


昨日はあの部屋からバイトに行って、実家に帰ってきた。
今送ってる荷物が着いたら、とりあえずは住めるようになるはずだ。
家主さんが荷物が着いたら連絡をくれると言ってくれていたので、
少しワクワクと連絡を待ちながら残りの荷物もまとめる。
送る荷物と今日持っていく荷物。
あ、でも今日は駅前で掃除機を買って持って行くから、
目一杯荷物を持っていく訳にはいかないな・・・。

そろそろ家を出ようかと思っていたら電話がかかってきた。

『おう、風早翔太か?荒井だ。荷物、着いたんだがな・・・』

「あ、家主さん。ありがとうございます。今からそっちに行こうと思ってるので
 邪魔にならない所に置いておいてください。」

『ああ、ちょうど隣のやつが居たからお前の部屋に放り込ませたんだけどな、・・・
 黒沼がな・・・お前が良ければ荷解きしたいって言ってんだけど、
 なんか黒沼に見られてまずいもんとか入ってるか?』

「え?いや、別にそんなの入ってないけど・・・そんなことまでしてもらったら
 申し訳ないんで、俺がそっち行ってからやるから・・・」

『黒沼なあ、知ってると思うが、あの部屋から出られないんだよ。
 だからな、やることなくて暇してるんだよ。やらせてほしいんだってよ。
 構わないならやらせてやってくれ。
 お前と話すの楽しいらしいから、お前がこっち来て荷物の整理ばっかしてたら
 黒沼が寂しがるから、荷物の方は黒沼にやらせろ、いいな?』

「それは、その、有り難いですけど・・・そんなことまでしてもらっていいのかなあ?」

『いーんだよ!!じゃあ、さっさと来いよ!!』


とりあえずさっさと行こうと、母ちゃんに声をかける。

「母ちゃん、俺、行くから。今日からあっちに住むから。」と言えば、

「父ちゃんに会わずに行くの?」と言われる。

「しょうがないじゃん、居ないんだから。
 それに、ちょくちょく帰ってくるからさ。」と、手を振って家を出た。


電車を降りて、駅前の家電量販店に寄って、シングルライフセットってのを買って、
メゾン荒井に送ってもらう手続きをした。
今日中に付くように持って来てくれるらしい、良かった。
布団が着いたから今日から寝れるなと思ってたけど、
この時期に暖房器具無しで無謀なこと考えてたなと思う。
ホント俺って考えなしだな。まあ結果オーライだけど。
掃除機だけを持って帰るからと荷造りしてもらって受け取り、
黒沼のもとに・・・じゃなくて、新しい俺の部屋に向かった。


部屋の前についてふと思った。
中に黒沼が居るんなら、チャイム鳴らせば開けてもらえるんじゃないのかな?
試しに鳴らしてみたが何の反応もない。
さすがにドアを開けて迎えてもらおうなんて思い上がった行為だったかな?
仕方なく鍵を取り出してドアを開ければ布団の上に黒沼がちょこんと座っている。

着物姿の黒沼がそうしてる様は、ちょっと時代劇とかの夜伽の場面を思い起こさせて
自分の顔が急激に火照るのを感じた。

「おかえりなさい。風早君。ドアを開けてあげられなくてごめんね。」と
黒沼は悲しげに俺を見た。

「いや、謝らないでよ。開けてもらおうなんて図々しいよな、ごめん。」

そんで、変なこと考えて勝手に赤面してゴメン!!

「そんなことないよ!出来ることならドアを開けたかったんだけど・・・
 これ、言ってなかったから風早君は知らないことなんだけど、
 私、この部屋の物には触れるって言ったんだけど、ドアにだけは触れないの・・・」

「・・・え?ドアには触れないの?」

「そうなの・・・だから開けられなくて・・・お出迎え、凄くしたかったんだけど・・・」

「もしかして、黒沼がこの部屋を出られないのって、そのせいなの?」

「うん・・・まあそうなの。」

「そっかー・・・。あ、荷解きしてくれてたんだよね、ありがとう!
 布団にカバーまで掛けてくれたんだ。
 台所用品とかも並べてくれたんだね・・・黒沼仕事が速いなあ、すげえ!」

「え・・・そうかな?なんか、やることがあるっていいよね!
 久しぶりに充実した時間だったよ!!今すぐにでも寝れるよ!」

「さすがにまだ昼すぎだし・・・あ、掃除機買ってきたんだけど、黒沼使えるかな?」

「わ~、掃除機!?使ったこと無いけど前の住人が使ってるの見たことあるから、
 多分使えると思うよ。一度使ってみたかったんだー、嬉しいなあ。」

掃除機をこんなに喜んでもらって、本来俺がするべき掃除なのに申し訳ないな・・・
それにこの喜び方が、またなんて可愛いんだろうか・・・

「あ、あの・・・黒沼、俺と話すのが楽しいって・・・その・・・ホント?」

「え?も、もしかして荒井先生に聞いたんですか?」

「う、うん、そう。家主さんに電話で・・・」

「――ひょ~・・・恥ずかしいー・・・本人に言っちゃうなんて、先生ったら・・・」

「お、俺も黒沼と話すのすっげー楽しいよ!
 これから一緒に住むことになるけど、
 黒沼とだったら上手くやっていけそうだって思うんだ。
 その・・・よ、よろしくお願いします!!」

「わ、わ、わ、私の方こそよろしくお願いします。邪魔はしないので!!」

邪魔しないってなんだよー・・・と思いながら、さっき引っかかってたことで
ふと思いついた事を訊いてみる。

「ところで、さっきのドアに触れないって話なんだけど・・・
 触れないってことは、逆に言えばすり抜けられるってことなんじゃないの?」

「えー、凄いね!さすが大学生だね!頭いい!!
 私、この状況になってから随分してからそれに気づいて、やってみたことあるの。
 そしたらね、体の中を物が通り抜けていく感じが――
 ・・・すっごく気持ち悪くてね・・・
 出来なくはないんだけど・・・悪酔いするの、それ。」

「うわ、そうなんだ!体験してみようがないけど、なんとなく分かる気もするよ。
 じゃあ、外に出たくなったら俺がドアを開けてあげるから、いつでも言って!」

「あ、ありがとう!でも、風早君が居てくれるならこの部屋だけでもいいかなー・・・」

え?それって、俺が居れば他は別にいらないっていうようなこと?
・・・いや、多分違うよな。きっとそんなに深い意味は無いんだろう・・・
ホントに時々心臓に悪いようなこと言うよな・・・
俺が深読みしすぎっていうか、自分に都合よく考え過ぎっていうか・・・
そうだとは思うけど・・・

「あ、あの、でも、この部屋は風早君の部屋なので、私のことは気にせず
 お友達とか、その、彼女とか、連れてきてくださいね。
 その時はちゃんと私消えますし、あ、荒井先生のところとかに行くようにしますから。」

「・・・邪魔しないって――そういう意味?」

「お手伝いさせてもらえることは、やらせてもらったほうが嬉しいけど
 風早君の日常生活に干渉したりとかはしないように心がけますから。」

黒沼にとって俺はただこの部屋を借りた人間ってだけの存在なんだね。
そりゃそうか、今まで何人もの男子大学生が借りては出て行くを繰り返してるんだから、
いちいちその相手に特別な感情を持ったりなんかしないよな・・・。

俺だけが黒沼の可愛さとか優しさにドキドキしてて・・・
黒沼が俺に親切にしてくれるのは、この部屋ありきの話で、
俺がどうとかいうことじゃないんだよな。
黒沼にとっては単なる暇つぶしなんだな。
家主さんも言ってたじゃん。『やることなくて暇してるからやらせてほしい』んだって。
だけど、俺は・・・

「多分友達なんて、絶対彼女なんて、連れてくること無いから!!」

「え?え?・・・なんか私、風早君のご気分を害する事、言っちゃいましたか?」

「――あ、ごめん・・・気にしなくていいから・・・」
どうせ俺のひとりよがりなんだから・・・

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