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  二次創作の文を置いてます。 駄文ばかりに付き読後の苦情はご勘弁を。 コメントのパスワードは「君に届け」です。
                       
   
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今回は黒沼爽子視点です。
私もみこりんと友達になりたい!
爽子ちゃんとも千代ちゃんとも!!



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5 四人で連れ立って帰れば 


『今日も野崎くんのうちに行くから、お隣なら一緒に帰ろうよ。』と
千代ちゃんが言ってくれたけど、お邪魔なのではと思ったんだけど
『野崎くんが初めて会う男子を連れてくるから、お願い一緒に来て!』と
頼まれて、今、4人で下校中。なんだか不思議な感じです。

「そっちの人は佐倉の友達なのか?」

「うん、そう。って、野崎くん、知らないの?お隣さんなんでしょ?」

「あ、千代ちゃん仕方ないんだよ、お会いしたことなかったし。
 一年住んでるけど、お母さんがこの間初めてお会いしたって言ってたし。」

「ああ・・・もしかしたら、黒沼さん?」

「あ、そうです。黒沼爽子です。初めまして。」

「どうも、はじめまして野崎です。少女漫画家やってます。」

千代ちゃんがこそこそと野崎くんに尋ねた。
「で、野崎くん・・・そっちの人が?」

千代ちゃんに合わせて、野崎くんも小声で答えた。
「ああ、御子柴実琴くんだ。背景を担当してくれてるんだ。」

「朝、話してくれた健気で傷つきやすいデリケートなみこりん?・・・
 え?でも、女の子に声かけられてチャラチャラ応えてたよね?」

「そうなんだ。軽口を叩くんだが、そのあとで盛大に恥ずかしがるんだ。
 今俯いてるだろう?・・・恥ずかしがってる段階だ。愛らしいだろう?」

「え?そうなの?なるほどデリケート?」

野崎くんが、隣を歩く男子に話しかける。
「御子柴、紹介しておこう。ベタを手伝ってくれる佐倉と、
 佐倉の友人でうちの隣に住んでる黒沼さんだ。」

「「はじめまして、御子柴くん。」」

「あー、御子柴実琴だ。俺、面倒なことは大嫌いなんで
 特によろしくもしねえけど、覚えとくぜ。佐倉と黒沼だな。」

そんなふうに言われたんだけど、意外に御子柴くんは
野崎くんが言うとおりの可愛い人で、なんとなくそれから
私と千代ちゃんと御子柴くんは同性の友達同士みたいに
お付き合い出来るようになりました。
男子と友達になれるなんて思いもしなかったので凄く嬉しいの。
私も野崎くんたちに習って『みこりん』って呼ばせてもらってるのv

野崎くんとも友達になれそう。
野崎くんは千代ちゃんととても仲が良さそうで、
告白は失敗したって言ってたのに、
すごく仲良しなのが不思議に思えるくらい。
『また黒沼さんにも手伝ってもらいたい。』って言われて、
喜んでお手伝いさせてもらっているの。
私は御子柴くんや千代ちゃんみたいに上手に絵が描けないから
消しゴム掛けとかトーン貼りをやらせてもらってます。
今、締め切り前らしくてここのところ数日
ずっと野崎くん、御子柴くん、千代ちゃん、私の
4人で下校する日が続いてます。
原稿が出来上がったらまた、ちづちゃんたちとラーメンも行きたいな。

あ、そう言えば隣の席の三浦くんもとてもフレンドリーな人で
三浦くんも男子だけど気軽に話しかけてくれるいい人です。
三浦くんは友達というより、陰気克服の方法を教えてくれる師匠かな?

2年生になって1年生の時よりもっと親しくしてくれる人が増えて
そのことはとっても嬉しいんだけど・・・

風早くんとはクラスは同じなのに席が離れてしまって
なんだか話す機会がなくて・・・
それは少し寂しい・・・
風早くんは男子の中でもいつも中心に居る人だし、
私と話すことが減ったのなんて気付いても居ないかもしれない。
もともと私にかまってくれていたのが陰気特典だったのだから
私が他の人と話せるようになったのだから風早君にしたら
『もう俺がかまってあげなくても大丈夫だね。』って
そう思っているのかもしれない。
こんなに沢山の人に仲良くしてもらってるのに
風早くんとも今までみたいにお話したいなんて贅沢かな・・・
でもやっぱり、私にとって風早くんは特別で、
他の人が居るから話せなくてもいいなんて思えないよ。

そんなことを思いながら廊下を歩いていたら「黒沼!」って呼ばれた。

呼んだのは、今考えていた風早くんで、びっくりしてしまって、
「か、か、か、か、風早くん!!」って吃ってしまった。
「今、ちょっと時間ある?」って訊かれたので、コクコクと頷く。
「じゃあ、こっち来て。」と、私の手首を掴んで歩き出すから
風早くんのあとについて歩いて行く。

屋上への階段について、振り返った風早くんが
「あ!ごめん!手、掴んで、引っ張ってきちゃって!」と
慌てて私の手首を開放して謝るから、
「あ、ううん。」ていいながら、『ちょっと嬉しかったんだよ。』
とか思ってしまったことを恥じる。

「あのさ・・・」と話しはじめるけれど、
言いづらい事を言おうとしているのかな
口元に軽く結んだ手を当てたまま視線が彷徨ってるみたい。

そしてなにか覚悟を決めたみたいに口元の手を下げると
私の目に視線を合わせて問いかけた。

「黒沼は御子柴と付き合ってるの?」・・・って。

まさか風早くんにそんなことを訊かれるなんて思っても見なくて・・・
「え?・・・えええっ?私と・・・みこりんが?!」

「み、みこりん?そう・・・呼んでるんだ、御子柴のこと・・・」

「え?あ、野崎くんと千代ちゃんがそう呼んでるから
 なんとなくそう呼んでるんだけど・・・」

「ここのとこ、ずっと4人で帰ってるよね・・・」

「う、うん・・・なんで知ってるの?」

「なんでって・・・・黒沼の事気になるから・・・」

「あ、ありがとう。風早くんに気にしてもらえるなんて・・・
 幸せものだよね、私・・・。
 でも、その、みんなお友達なの。
 私と付き合ってるなんて、みこりんに失礼なので。」

『もう俺がかまってあげなくても大丈夫だね。』とは
思われてなかったみたい。
良かった・・・なんて言ってはいけないのかもしれないけど・・・

「それで・・・これからも一緒に帰るの?4人で?」

「うん。あと2日は。2日後〆切りなの。」
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