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  二次創作の文を置いてます。 駄文ばかりに付き読後の苦情はご勘弁を。 コメントのパスワードは「君に届け」です。
                       
   
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ケントのターン!!
わ、忘れてないよ、ケント!



拍手[3回]

   

   


13 執着


「一年担任会」は予定通り19時に始まって、
二時間の飲放題コースだから21時に終わった。
いつになくちょっと酔いが回ってるから、
二次会にカラオケ行くぞとか言ってるけど俺は帰ろうかと思ってる。

「風早も行くでしょ?」と胡桃沢が寄ってきて、
むこうも酔ってるのか俺の腕に腕を絡ませてくる。

「俺、今日は帰るわ。」と言えば、
「え~、付き合い悪ーい!」と絡んでくる。
ちょっと面倒くさいとか思ってしまう。

「行こうよ!」「行かない!!」と言い合ってたら、後ろから
「センセー!」と声をかけられて、
その場に居たほぼ全員が振り返ると、
「ああ、すいません!風早センセー!!」と呼び直す。

一旦振り返ったが、みんな多少酔ってるので瞬時に忘れたかのように
呼ばれる前に話していた話に戻る。
「よーし、カラオケ行くぞー!」ってことらしい。

「ありぇ?三浦・・・なんでこんな時間にこんなトコにいんの?」って、
ちょっと呂律が回ってないな、情けない。

「俺、そこのコンビニで9時までバイトしてるんです。
 ちゃんと学校にも届けだしてますから。」

「そっか、えらいなー。よし!俺が送ってってやろう!!」と歩き出す。

「ちょ・・・風早!」と胡桃沢の声が聞こえたが、
流石に生徒の手前それ以上しつこくは言ってこない。


「自分よりでかい男は送らないんじゃなかったっすか~?」
と三浦が言うから、
「あー、うん、わりぃ。ちょうど帰りたかったから口実に。」

「馬鹿正直っすね、センセー。でも、ちょうどよかった。
 実はちょっとセンセーに話したいことあったんすよ。
 出来れば素面のときのほうが良かったんっすけど・・・」

「あー、大丈夫だ。ちょっと酒臭いかもだけど、そんな酔ってないから。」

「酔っぱらいってだいたい『俺は酔ってない。』とか言うんっすよね。」

「お前って時々高校生らしくないこと言うよな。
 ちょっと呂律は怪しいけど、頭はハッキリしてるよ。
 ホントは酔いたかったんだけど、何か酔えないみたいな・・・」

「俺で良ければ話聞きましょーか?」

「いや、いや、俺がお前の話聞くんだろーが!」

「じゃあ、そこで、コーヒー飲みましょ―、奢ります!」

「誰が生徒に奢らせんだよ!そんななら話なんか聞かねえよ!」

「あははー、そうっすよね、じゃあ、割り勘で。」

「口実にしたからコーヒーくらい奢る!!」

「じゃあ、ゴチになりまーす。」

なんか俺が我儘言ってるみたいな流れがムカつくけど
三浦とコーヒーショップに入る。
あいつはタッパがあるせいか、私服なら高校生には見えない。
多分傍目から俺と三浦は生徒と教師には見えないだろう。

セルフでコーヒーを買い、席に着くなり三浦が言う。
「センセー、あんま人目があるトコでイチャつかないでくださいよー。
 もし、万が一貞子ちゃんが見ちゃったりしたら悲しむでしょうが!」

「は?イチャついてなんかないだろ!?
 胡桃沢がしつこく二次会に誘ってただけで・・・。
 それに、委員長は関係ないだろ、なんで悲しむんだよ。」

「センセー、気付いてないみたいだから言いますけど
 くるみセンセー、センセーのこと狙ってると思いますよ。」

「何言ってるんだよ、胡桃沢は優秀な教師で同僚だ。それだけだよ。」

「だから、それはセンセーがそう思ってるだけで、
 くるみセンセーは風早センセーが好きなんじゃないですか?」

「そんなこと言われたことないし、お前の勘ぐり過ぎじゃないか?
 お前って何でも恋愛に結びつけて考え過ぎなんじゃない?
 ・・・話ってそれなのか?」

「あー、違いますよ。俺が話したいのは俺のことですから・・・
 えっと・・・俺・・・好きな娘ができたんすよ!」

「委員長じゃなくて?」

「じゃなくてです。」

「そうかー・・・良かったな?」

「なんで疑問形なんすか?」

「まあ、なんて言っていいか分かんなくて・・・
 お前にとって良かったのかなと思って。」

「いいんですよ―、凄く!俺はね、愛を知ったんですよ!!
 貞子ちゃんを好きなのもホントですけど、
 今思うと、貞子ちゃんへの気持ちは
 友情のちょっと濃いめなやつだなーと思って。」

「じゃあ、その娘と付き合うのか?」

「いや、まだ、気持ち伝えてないですし、
 その娘は俺のことそんなふうに思ってないと思うんすよね。」

「へー・・・お前って好きだと思ったら
 もっとガンガン行っちゃうのかと思ってたわ。」

「センセーの中で俺の認識ってそーゆー感じっすか・・・」

「中学から委員長一筋とか言っても、
 わりと複数の女子に囲まれていつもヘラヘラしてんじゃんお前。」

「なんか人聞き悪いっすね。人気者だって言ってくださいよ。」

「あー、そうだな、人気者だな、人気者。」

「でね・・・その好きな娘って・・・
 あやねちゃん・・・なんだけど・・・。」

「ああ、矢野のことだよな、最近委員長がそう呼んでる・・・。」

「流石!貞子ちゃんに関してはちゃんと把握してますね!」

「あー・・・もういいよ、そういうことで。
 ・・・矢野な、見た目は派手だけど結構真面目だし、
 委員長の親友だしな、いい子だろうと思うよ。」

「すっごいいい子なんすけど・・・彼氏がいるみたいで・・・」

「えっ!じゃあ、だめじゃん。」

「それとなく貞子ちゃんに聞いたんすけど、彼氏、大学生らしくて
 あやねちゃん、困惑するくらい愛されてるって・・・。」

「ますます、だめじゃん・・・」

「まあ、そうっすよね。あんな優しくて、美人で、スタイル良くて、
 頭良くて、素晴らしい子だもん、世の中の男がほっとかないよね~。」

「でもさ、人を好きになるのはいいことだと思うよ。
 そりゃ、彼氏とか居ない子のほうが良かったけど、
 彼氏いる子を好きでも別に悪く無いと思う。
 それは好きになった後から知ったことなんだし仕方ないだろ。
 付き合いたいと思っても難しいかもだけど
 それで諦めるか戦うかはお前次第だろ。」

「俺・・・あやねちゃんのことは・・・諦めたくないんだ・・・。」
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