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  二次創作の文を置いてます。 駄文ばかりに付き読後の苦情はご勘弁を。 コメントのパスワードは「君に届け」です。
                       
   
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新年最初の更新です。
あれ?いつの間にか1月が半分終わってる!!

ちょっと更新、間が空いてしまいまして
忘れられてるかもとビクビクしながらUPします。

T.N.Gですよ~。
25歳の風早くんが
なぜだか高校一年になっちゃったヤツね!

お、思い出してもらえたかな~?



拍手[10回]

   

   


10 中途半端な名ばかりの彼氏だよな。 


みんなのいる教室で派手に告白して、
友人たちに付き合えたと言って報告したりしたもんだから
俺と黒沼が付き合ってることはほぼクラス中、
もしかすると他のクラスの人でも知ってるのかもしれない。
もともとこっそり付き合うつもりなんか無かったし、
これは俺の思うところなんだけど
黒沼の気持ちが付いて来てないから
黒沼が困惑してなければいいなと少し心配はしてる。

なにしろ今だに(この”今”は25歳の俺の”今”だけど)
爽子は自分の恋人(あ、こうなる前日に婚約者に昇級したんだ!)に俺が
勿体無いとか思ってるフシがあるんだから。
俺からしたらどこがだよ、俺の方がだよ!なんだけど。
だから今はなおさら(この”今”は高1の”今”だ、ややこしいな・・・)
黒沼はそんなこと思いながら困ってんじゃないかと心配してる。

いずれは俺を好きになってくれると分かってても、
もしかしたら、何か間違ったら、
そうならないってこともあるのかもと思うと
あんまりのんきにやりたい放題するわけにも行かない。
事実、俺の行動でちょっと俺の知ってる過去と
変わってきてる部分もあるんだから。

そう。黒沼が吉田と矢野と友達になったことだ。
俺の知ってる過去では三人が友達になるのは
もっと後のことだったはずだ。

やっぱり黒沼は凄く嬉しそうで、ずっと一緒に帰ってる。
もしかしたら俺と付き合いだしたことなんて
忘れてんじゃないかなって思うくらい。
ちょっと泣きそうだ・・・
俺の存在感薄いなー・・・

黒沼が俺を好きになったのは確か
初めて話をして名前を呼んだ時・・・
花壇のトコでって言ってたよな。

道を教えてもらって「ありがとう。」って言ったとか
初めて話して名前を呼んだとか
それでなんで好きになってもらえたんだろう?
例のアレか、「爽やか」ってやつ?
もしそうなら明らかに勘違いだよな・・・
俺、爽やかじゃねえし・・・
あれ、俺、好きになってもらう要素が思い当たらないな。
とりあえず今は友達の吉田と矢野が第一っぽいから
たまには一緒に帰りたいなんて我儘言ったら
嫌われそうだし・・・

そんな状態で告白の期限にしようと考えてた
俺の誕生日が近づいてきた。
一応自分で決めた期限には告白できたし
一応付き合うことも出来たわけだけど
なんとも言えない中途半端な状態になってしまった。
ここんとこ朝「おはよう。」って言って、
帰るときに「バイバイ。」って言うくらいで
ろくに話もしてないし、
もちろんそれ以上のことなんかあるわけもなくて・・・
最近黒沼がどうしてるのか、
吉田発、龍経由で聞く有様だ。

なんとか俺と付き合ってることは忘れてはいないらしいし
やっぱり俺のこと自分には勿体無いとか言ってるみたいだ。

放課後になって今日もやっぱり
吉田と矢野と一緒に帰る黒沼に「バイバイ。」と言って別れた。

そこにジョーが、
「明日、風早の誕生日じゃん!
 お祝いカラオケ行こうぜー!!」
と言ってきたんで、
「あ、マジで!?サンキュー!!」
って言って、誕生日の予定が決まった。

何度となく爽子には誕生日を祝ってもらったけど
黒沼はまだ俺の誕生日なんて知らないはずだし、
そりゃまあ、黒沼に祝ってほしくないのかって言ったら
祝ってほしくないわけないんだけど
今はまだそこまで期待はしてないし・・・
ジョー達とバカやって祝ってもらうのは
それはそれで楽しいから好きだ。


翌、5月15日、いつもの様に黒沼に
「おはよう!」って言ったら珍しくそれ以上の言葉が返って来た。

「おはよう。あ、あの風早くん・・・ちょっとお話が。」
って、神妙な顔で言われて
「え?な、なに・・・?」って言いながら
心臓がバクバクいって嫌な汗が一筋流れた。
「ちょっとこっち、こっちに・・・」と、廊下の隅に連れて行かれる。
どうしよう・・・俺が中途半端だって思ってたんだから
きっと黒沼も俺と付き合ってるのってどうなの?とか、
なんか良くない状態だって思ってたんじゃないだろうか?
も、もしかしたら別れ話とかされるんじゃないだろうか・・・

「あ、あの・・・お誕生日おめでとうございます。」

「へっ!?」

「あ、あれ?
 今日、風早くんのお誕生日だって聞いたんだけど・・・ち、違った?」 

「あ、ああ・・・いや、違わない!合ってるよ!!
 でも、なんで知ってるの?知らないと思ってた。」

「あ、あの、ちづちゃんに聞いたの。
 それでね、お時間はとらせないのでちょっとだけ
 学校終わってから会えないかなと思って。
 ちょっとお祝いさせてほしいなと思って・・・。」

なんてことだ・・・まさか黒沼が
俺の誕生日を祝おうと思ってくれてたなんて。
そうと分かってたらジョー達と約束なんてしなかったのに・・・
でも、流石にせっかく俺の誕生日を
祝ってくれようっていう友達の誘いを
今日の主役の俺がドタキャンするなんて出来ない。

「ごめん、黒沼。昨日、ジョー達が祝ってくれるって言うから
 今日カラオケに行く約束しちゃったんだ。」

「あ、あ・・・そうだよね。
 風早くんの誕生日だものみんなお祝いしてくれるよね!!
 わ、私のことはお気になさらず楽しんできてね。」

「黒沼に祝ってもらえるなんてすっげー嬉しいのに・・・
 昨日わかってたら絶対ジョーと約束なんかしなかったんだけど・・・」

「え?そんな!!きっと城ノ内くんたちとカラオケ行くほうが楽しいよ!」

「そんなことないよ!
 俺にとって黒沼以上に一緒にいたい人なんていないんだから!!」

「ホントに私のことはお気になさらずに・・・、じゃあ・・・。」

そう言って振り返りもせずに行ってしまった黒沼の後ろ姿を見送りながら
なんか凄くあっさりと諦められてしまって
残念に思ってるの俺だけかなとか、
黒沼は吉田に聞いたから『祝わなくっちゃ!』って
なんか使命感みたいなので言ってくれただけかも、とか思ってしまう。
黒沼にしたら今の俺はなんて言うか・・・名ばかりの彼氏、だもんな・・・
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