「私たち結婚しました。」シリーズ第７弾になりますね。

おしながきのページの書き方がややこしくてすいません。
キリリク第＊弾と書いたのがいけなかったんですね。
キリリクひとつ目は「カルマンエトワール」で
このシリーズじゃなかったので、
この「私たち結婚しました。」のシリーズは
キリリク第二弾から始まってるので
なんか６が２つあるみたいになってしまって。
しかもひとつキリリクじゃないのも混じって更にややこしく・・・

なので「私たち結婚しました。」シリーズで直しました。

で、今回はホワイトデーです！
風爽loveさんからのキリリク【２５０００番分】です！
よろしかったらおひとつ・・・

[6回]

　　　

私たちホワイトデーしました。

ホワイトデーには爽子に
缶に入ったクッキーをあげるのがなんとなく恒例になってる。
どこのメーカーのクッキーが美味しいかとかあんまり分かんないから
結局のところ缶のデザインで選んでると言っていい。

ホワイトデーには様々なお菓子がお返しになると聞いた。
俺が知るかぎりではマシュマロとかキャンディとかクッキーとかだ。
なんとなくマシュマロってあんまり美味しいと思ったことなくて、
キャンディよりはクッキーのほうが贈り物向きな感じがして
もう何年もクッキーを爽子へのお返しに選んできた。

そんな時、ときどき仕事で行動をともにする人に聞いたんだ。
贈るものによって意味があるって。
それによるとクッキーは『あなたは友達』って言う意味だとか。
クッキーの軽い食感からそういう意味になったんだとか・・・。
いつからそういうことになったんだか知らないが、
もちろん爽子はもう随分前から俺にとって友達なんかじゃない。

じゃあ何ならいいのか。

定番のマシュマロも良くないらしい。
クッキーより悪い、『あなたが嫌い。』と言う意味だとか。
口に入れるとすぐ消えてしまうからっていうのが理由らしいが、
何にせよ、嫌いな人にわざわざ買ってプレゼントするとか
ありえないと思うんだけど。

少し前まではホワイトデーといえば、ホワイトチョコだったようにも思うんだけど、
チョコをもらって、チョコを返すのはひねりがないとあまり受けが良くないらしい。
いや、意味とか言っといて『ひねりがない。』ってなんだよと思うけど、
ホワイトチョコって甘すぎて俺が好きじゃないからもともとあんまり贈りたくない。
俺の好みは関係ないといえば関係ないけど、
好きじゃないものを贈り物に選ぶ奴もいないと思うんだ。

キャンディは甘さが長続きすることから、
『私もあなたが好きです。』になるっていうんだけど、
なんか、飴って駄菓子っぽくて、プレゼントな感じしないなあとも思う。
でも、ホワイトデー用の化粧缶入があったらそれもいいかもしれない。
クッキーにしたって今までから缶で選んでるし。

どうしてそこまで缶にこだわるのかって言うと、
爽子が今まで俺があげたクッキーの缶を
大事にコレクションしてるのを見てしまったからだ。

なんとか前年よりさらに可愛い缶をみつけるんだ！（使命感）
この際中身がクッキーかキャンディかなんてどうでもいいと思う。
今までから爽子はクッキーを喜んで受け取ってくれてるんだから
きっと爽子も意味とか知らないんだろう。

まあ、俺みたいに大概いい年した男がああいう売り場をうろつくのは
それなりにきついんだけど爽子を喜ばせるためだと思えば何でもない。

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ここのところ翔太くんの帰りが遅い。
・・・と言っても毎日３０分から一時間位で
ちょっと仕事が忙しくて残業なのかなって思ってたんだけど、
何気なく聞いてみたところ、今はそれほど忙しいことも無いようだった。

でも、考えてみれば翔太くんみたいに友達の多い人は
それなりにお誘いとかお付き合いもあるんだろう。
結婚して早いもので９ヶ月になろうとしている。
その間、ほとんど仕事が終わったら
まっすぐに帰ってきてくれていたから
そういうものかと思っていたけれど、
そろそろそういったお付き合いにも
参加するようになったのかもしれないし・・・。

・・・で、でも・・・友達とのお付き合いなら言ってくれるんじゃ・・・
それに友達とのお付き合いなら、
逆に３０分とか一時間って短すぎるんじゃ・・・

２月の下旬頃からもうかれこれ三週間毎日だけど
友達に誘われるのってそんないきなり始まって毎日なものかな？

ま、まさか・・・浮気、とか？
そ、そんなの翔太くんに限って・・・。
そういえば先月はバレンタインデーがあったよね。
そう、その後くらいからだ、帰りが遅くなったの・・・

「俺、妻がいるけどそれでも良かったら。」とか・・・。
いやいや、なが～く付き合ってきて浮気なんて一度もなかったし・・・。
・・・だからって今後絶対無いなんて・・・いいきれないのかも・・・。

今日も先月より前に比べて一時間くらい遅い・・・
一時間・・・って、まさか・・・ご休憩・・・？
わ、私は行ったことないけど・・・ああいうところって
やっぱり・・・一時間単位・・・とか？

変な方向に考えそうになったところにインターホンが鳴った。

「俺だよ。ただいま。」って言う翔太くんの声を聞いて
さっきまで考えていたことなんて忘れて、
「お帰りなさい、翔太くん！」と言いながらドアを開けると
翔太くんからなんだかかすかな疲労感が伺えた。
そして僅かにとてもいい香りがした。

「なんだかいい香りが・・・。」と言えば・・・

「すげえ！鋭いね、爽子！」って。

「え？鋭い？」ってどういう意味？
ま、まさかこれ、香水の匂いだったりしないよね！？

「はい、これ！散々迷って、結局今日になっちゃった。
　でもやっと納得の行く缶入りのキャンディに巡りあえて・・・
　花の香のキャンディが入ってるんだって！
　花が好きな爽子にぴったりだなって思って！！」
そう言いながら後ろに隠し持っていた紙袋を私に差し出した。

「え？これ、私に？」

「そうだよ。あれ、今日１４日だよね？」

「うん。早いもので３月も半分くらい過ぎて、３月１４・・・」

「そう。だからね、今日はホワイトデーでしょ？」

「え？え？もしかして、最近ちょっと帰りが遅かったのはその所為？」

「あ、気付いてたんだ・・・。あんまり遅くならないようにはしてたんだけどなあ。
　それまでが、とんぼ返りしすぎだったからなあ。」

「あ、あの、いいんだよ！お友達と会うとかそういうの、全然！！」

「そうだね、今後誘われたらそういうこともあるかもしれないけど、
　誰の顔より俺は爽子の顔が一番見たいから。」

「・・・私の顔なんてうちに帰ってくればいつでも見れるよ。」

「うん。だからね、用が済んだら一刻も早くうちに帰ってきたいんだよね。」

うわ～、どうしよう！こんなこと言ってくれる翔太くんを
ちょっとだけとは言え、う、浮気を疑ってしまっただなんて！！

「ご、ご、ご、ごめんなさい！！」

「え？何？何謝ってんの爽子！？
　あ、もしかしてキャンディ好きじゃなかった？
　今までずっとクッキーだったから・・・。」

「あ、いえ！キャンディも大好きです！
　あ、キャンディは『私もあなたが好きです。』だね。
　結婚したから昇格したのかな・・・。」

「爽子もその、贈るものによって意味があるっていうの知ってるんだ。
　・・・まさか、俺が今まで『友達だ。』って意味で
　クッキー贈ってたとか思ってないよね！？」

「だ、だ、だ、大丈夫だよ！
　ちゃんと少しは特別な友達だって思ってくれてるって思ってたよ！！」

「あー、もー！！俺はその意味っていうの今年はじめて知ったんだよ！
　贈ったのはクッキーだったけど、ずっと『俺も爽子が大好きだ。』って
　気持ちで贈ってたよ！！
　もうずっと前から爽子は俺の少しは特別な友達なんてモンじゃないよ！
　まだまだ爽子は俺がどんだけ爽子のこと好きか分かってない！！」

「わ～、ごめんなさい、ごめんなさい！疑ってごめんなさい！！」

「・・・疑う？なにを？」

「翔太くんに限ってそんなことはと思いながらもほんの少しだけ・・・」

「なにを？」

「・・・う、浮気・・・かも・・・なんて・・・・。」

「・・・・はあ～～～・・・そっか～、俺の愛し方がまだまだ足りなかったんだな、
　よし分かった！！今晩、よ～～く分からせてあげるから覚悟してね！」


あ、どうしよう・・・翔太くん怒っちゃったのかな・・・
『今晩、よ～～く分からせてあげる』って・・・
やっぱりそういう意味なのかなあ・・・

今でも十分愛されてると思ってるよー！
でも、もしかするともっと凄い愛し方が・・・あるのかな・・・。