11 風早くんと話し込まないようにしなくては!!
「黒沼の好きな人って、誰!?」って・・・
どうして風早くんがそんなことを・・・
だって私が好きなのは風早くんで・・・
だけど、そんなの本人に「それはあなたです。」なんて
言えるわけがない。
それに・・・自分なわけ無いと思っていなければ
あんな事訊かないよね・・・
もしかすると・・・風早くんってとても親切だから
教えてくれたら協力してあげるよとか
そういうことだったのかな・・・
一年の時から風早くんは私にとても親切にしてくれた。
風早くんはクラスで浮いてる子とか
ほっとけないらしいって聞いたから
たまたま私がクラスで浮いてたから陰気特典で
親切にしてくれてたのもわかってるんだけど・・・
私なんかが風早くんを好きになったって
お付き合いできるとかそんなこと思ってはいない。
風早くんに私を好きになってなんて
そんな無理を言うつもりはないから。
関係なくなんてないけれど
関係ないって言うしかなかった・・・
でもせっかく気にかけてくれたのに
『関係ない。』なんて言って・・・
気を悪くしていなければいいのだけれど・・・・
心配していたんだけれど
その日の放課後、風早くんは
一緒に野崎くんの家に行ってくれて
私が作った晩ごはんをみんなと一緒に食べてくれた。
「黒沼ってほんとに料理がうまいんだなー。」
なんて言ってもらったらちょっと浮かれてしまう。
そして今度はこっそりと
「さっきはいきなり変な事聞いてごめん。
でも・・・御子柴のことを好きなわけじゃないってのは
その・・・ホントなのかな?」
って訊かれたけれど、今度は少し落ち着いて答えることが出来た。
「う、うん。みこり・・・御子柴くんはここでのアシスタントの先輩で
いろいろ教えてもらって、男子なのになんだかとても話しやすくて
仲良くしてもらっているし、友達というのもおこがましいんだけど
友達って思ってもらえてたら良いなって思ってて・・・。
でも、好きな人って・・・言うのとは違うの。
さっき風早くんは私の事気にかけて言ってくれたのに
関係ないなんて言ってごめんなさい・・・」
「いや、俺の方こそデリカシーがなかったよな。
ゴメンな、そんなこと俺なんかに言えるわけないよな。」
「そ、そんな・・・でも・・・親切に言ってもらったのに
本当に申し訳ないけれど・・・風早くんには言えないの。」
「いやほんとゴメン!!あたりまえだよ。
女の子同士じゃないんだから、言えないよな。
男の場合は、本人に告白するとかじゃないかぎり・・・。」
「そ、そんなの・・・ありえないよ!!」
「あー、うん・・・気にしないで、黒沼・・・。」
あ、あれ?またなんだか妙な雰囲気に・・・
どうして最近風早くんと話すと変な感じになってしまうんだろう。
「あー、風早。ちょっといいかな?
ここんとこの流れを読んでちょっと意見聞きたいんだけど。」と
野崎くんが風早くんを呼んでいる。
そうそう、ここに来たのはあくまで野崎くんのお手伝いなのだから
風早くんは私なんかと話し込んでいてはいけないんだ。
私も夕食の片付けにとりかからなくては。
千代ちゃんはもうすでに作業にとりかかっている。
そう、千代ちゃんは野崎くんが大好きだけど
ここでアシスタントをする時はちゃんとアシスタントに徹している。
私はもともとトーン貼りと御飯作るくらいしか出来ないんだから
私がここで風早くんと話をして野崎くんの邪魔をするとか
とんでもないことをしてしまった!
今後ここに来るときは私はなるべく
風早くんと話し込まないようにしなくては!!
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