14 女の子の心の代弁者
早いもので俺が野崎の手伝いを初めて2ヶ月が過ぎ
一学期が終わって夏休みになった。
夏休みなら野崎も時間があるから
手伝いもそんなに必要ないのかと思えば
特別読み切りと単行本作業で普段より忙しくなるとかで
「できれば午前中から!ランチも出します!!」と野崎に誘われ、
「佐倉と黒沼も来てくれることになってるぞ。」と付け足される。
「昼も夜も黒沼の手料理だぞ、風早!」とさらに押してくる。
「野崎、なんでそういう誘い方すんの?」と訊けば
「へ?!風早、黒沼が好きなんだろ?」と当たり前のように返された。
「佐倉もみこりんも知ってると思うぞ。
流石に黒沼は知らないだろうけど。」と更に付け足された。
「な、なんで?そんなにだだ漏れてた?」
「ああ、なにしろ俺は女の子の心の代弁者とまで言われた
少女漫画家だからな。」
「いや、俺の気持ちがわかるって言うなら女の子の心じゃなくて男心だろ。」
「そんなことはどっちでもいいんだ。
とにかく恋愛には詳しいからな。」
「じゃあ、黒沼の気持ちもわかるのか?」
「もちろんだ。女の子の心の代弁者だからな。
あー・・・でも、佐倉の気持ちはちょっとわからないなあ。
佐倉にも好きな男がいるらしいんだ。
でも聞いた話では酷いやつでな、
告白されたのに気づいてなくて
話はするようになったらしいんだか
佐倉のことを便利屋扱いしてるらしいんだ。
そんな奴のどこがいいんだろうなあ。」
「あー・・・そうだなどこがいいんだろうなあ・・・。」
あんなに分かりやすい佐倉の気持ちに気づいてない野崎に
なにを一瞬、黒沼のことを訊いてみようかなんて思ったんだか。
そうだ。
黒沼の気持ちは黒沼に訊かないでどうするんだ。
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