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二次創作の文を置いてます。 大したこと無いモノしかありません。 読後の苦情はご勘弁を。
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またまた久しぶりの更新です。
そしてまたコミックスの発売とシンクロしてしまった。
でも書き上がったのでUPしますー。

コミックスでもクリスマスでしたが
このお話でもただいまクリスマスです。
まだクリスマスやってます。
クリスマス気分になってきましたかー?

それではよろしかったらおひとつー。






23 聖夜


自分で言っておきながら『婚約者』って言葉にちょっと心臓がバクバクする。
言われた方の黒沼は全く気にしてない様子だけど。
黒沼のことだから多分それが自分のことだって
ピンときてないってだけなんじゃないかと思うけど。

きっとドライブに誘っただけでかなり舞い上がってるんじゃないだろうか。
高校生の行動パターンにドライブなんてないだろうし。
そういう俺も女の子をドライブに誘ったのなんて初めてだけど。

一応気持ちを伝え合って初めてのクリスマスだし
ちょっとだけ二人になれたらいいなと思って。
用意してきた黒沼へのプレゼントを渡せればそれでいいんだ。

「あ・・・あのっ・・・風早先生・・・。」と、さっきやっとつけることが出来た
シートベルトを両手で握って真っ赤な顔で俺に呼びかけた。
どうやら車が信号で停車するのを見計らって声をかけたようだ。

「なに?黒沼・・・。」と顔を覗きこむ。

「う、運転中にすいません!」なんて恐縮してるから

「ああ、運転中でも話くらい普通にできるよ。
 運転に関してはそこまで初心者じゃないから。
 でもまあ好きな娘を横に乗せて走るのは初めてだけどね。」って言ったら

「すっ、好きな娘!?風早先生の好きな娘・・・私・・・ですか?
 あ、あの・・・もしかして、さっき・・・こ、婚約者って・・・それも・・・」なんて。

「ぷっ・・・今更だなあ。
 さっき全然反応なかったから、俺はちょっとドキドキしながら言ったのに
 黒沼のほうが落ち着いてるなあって思ってたんだけど・・・。」と、
ちょっとからかってみる。
信号が変わって、ゆっくりと車を発進させれば黒沼もゆっくりと話しだす。

「実は・・・確かに約束してもらったと思ってはいたんだけど・・・
 時間が経つにつれて・・・あんまり夢みたいなことだから
 やっぱり夢だったんじゃないかななんて思い始めていたものだから。」

「なんか黒沼ってそんなこと思ってんじゃないかなって
 実はちょっと心配してたんだよね。」

「つかぬことを伺いますが・・・今、その、どこへ向かっているのでしょうか?
 い、いえ・・・もちろん風早先生のことは信頼していますし
 先生とならどこへだって一緒に行きたいっておもってます・・・けど・・・。」

「あ、ごめん!黙って連れて来て・・・。
 けして変なとこに連れ込もうだとかそんなつもりはないから安心して!!
 ホントはレストランとかせめて喫茶店とか連れて行きたかったんだけど
 近場の店だとどこで学校の生徒や教師に見られるかも分かんないから
 いろいろ考えたんだけど展望台の駐車場で車ん中で
 少し話ができればと思ってるんだ。
 ゴメンな、別にやましいことしてるわけじゃないのに
 相手が俺だからこんな・・・クリスマスらしいことも出来なくて・・・。」

「そんなことないですよ、先生・・・
 こんな風に車の中で先生とふたりでいられるなんて
 私には十分クリスマスらしい素敵なことです・・・。
 それに・・・先生とじゃなかったら
 クリスマスらしいことなんて意味がありません。」

「参ったなあ・・・。
 黒沼にそんな殺し文句言われるとは思ってなくて・・・。」

「え?今ののなにがどう・・・こ、殺し文句?!」

心底ビックリしたような顔した黒沼と
高1の女の子の言葉にかなり感動してる俺が乗った車は
展望台の駐車場についた。

「寒いけどさ、一応展望台だから外に出て夜景、見てみる?」
と訊けば「は、はい!」と嬉しそうに笑う。

そこそこ大きな駐車場で、2,30台の車がまばらに停まっている。
夜景を見ているのは10人足らずで、皆恋人同士と思しきカップルだ。
さすがクリスマスってとこだろうか。

12月の北海道だから、長時間夜景を見てるわけにはいかない。
もとより30分って言って連れてきたんだからなおさらだ。
何の気なしに側に停まっている車の中に目が行って、
25年生きてきて初めて他人様のキスシーンというのを
目の当たりにしてしまった。

なるほど・・・こういう場所に車で来て、
車内でそういうことをしているものなのか。
いや、もちろん俺はそんなつもりはないけど。

黒沼がうっかりこんなシーンを目にして
俺もそういうつもりで連れて来たんだと思ったら大変だ。
車を降りて夜景の見える場所まで移動する間、
近くに車が停まっているところを通る度に
黒沼の頭を俺の方にぐっと抱き寄せる。

今まであんまり抱き寄せたことすらなかったから
これはこれで黒沼が嫌だったりしないかと
直ぐ横に居る黒沼の様子をそっと盗み見ると
心なしか嬉しそうに頬を染めているように見えた。

ほんとに嬉しいんだろうか?
そうだといいんだけど・・・

「こ、恋人同士・・・みたいですね・・・。
 あ・・・ご、ごめんなさい!
 なんか、こんな感じなのかなって思って・・・。」
そう言って慌てて謝る黒沼がたまらなく可愛くて
「黒沼は俺と恋人同士だと・・・いいなって思ってくれてるの?」と訊けば
「あ、いえ、大丈夫です。そんなオコガマシイこと!
 分かっていますから。
 私のような未熟者が恋人だなんて
 そんなの先生に申し訳ないですから。」なんて言う。
黒沼は俺がどんだけ黒沼のこと好きか、
たぶんぜんぜんわかってないんだろうなあ・・・。

「黒沼、ふたりだけの時は『先生』禁止。」

「えっ・・・でも・・・じゃあ、なんて呼べば?
 ・・・風早・・・さん?」

「う~ん・・・翔太って呼んでくれる?」

「そ、そんなの無理です!せ、先生のことをそんな・・・」

「だめ?じゃあ、俺が爽子って呼ぶのは?」

そう訊けば上気させた顔で黙ったまま何度もコクコクとうなずく。
どうしよう・・・なにやってもたまらなく可愛いんだけど・・・。

「じゃあ・・・爽子・・・
 って・・・自分で言っといてなんだけど・・・結構照れんね・・・。
 だから呼びにくいのは分かるんだけどさ・・・
 んー・・・『翔太さん』でも・・・無理かなあ?」

「・・・が、頑張ってみます!」と
ガッツポーズみたいなポーズをするけど、さらに顔は真っ赤だ。
 
「し、しょう・・・た・・さん・・・わっ!」と
両手で顔を覆ってしまった。
「む、難しいです。照れるなんてもんじゃないです!どうすればー・・・。」

黒沼がすごく困ってんのはわかるんだけどやっぱり名前で呼ばれたい。
『風早さん』じゃあ、今までよりも他人行儀な感じするし。
それに・・・困ってる黒沼がまたすごく可愛くて・・・
あー、もー、俺さっきから何回可愛いって思っただろう。

「ごめんな、困らせて。ゆっくりでいいからさ・・・。
 今日はそろそろ帰んないと門限になっちゃうし
 これだけ渡しておきたかったんだ。
 大したもんじゃないんだけど一応・・・クリスマスプレゼント。」
そう言って小さな箱を黒沼に手渡す。
婚約者に渡すって言ったら普通指輪なのかもしれないけど
黒沼はまだ高校生だから普段から指輪はできないだろうし
できればいつも持ってて欲しいって思ったから携帯ストラップにした。

でもよく考えたら連絡先すら訊いてなかった。
もちろん調べれば家の電話くらいは分かるんだけど、
なにしろ副担任だから・・・なんかずるいけど・・・。
携帯の番号とか訊いてなかったなあ・・・。
それ以前に携帯なんて持ってるんだろうか?

まあ、携帯持ってなくても
カバンとか筆箱とか何にだってつけられるよな?

なんだっていいから何か俺との約束を形にして渡しておきたかった。
黒沼も言ってたけど、夢だったんじゃないかなんて思わないように。
黒沼が不安にならないように・・・って言うか
俺が憶えててもらえるように・・・って言った方がいいかな。

「実はっ!」と、黒沼がカバンからピンクの携帯を取り出した。

「あ、黒沼携帯持ってたんだ。どうだろうと思ってたんだ。」

「・・・今日、お父さんにクリスマスプレゼントでもらったばかりで・・・。
 まだ使い方もわからなくて・・・。」

真新しい携帯を受け取ってストラップをつけてあげて、番号交換もできた。

「いつでも連絡して。」と言えば嬉しそうに微笑んで
「ありがとうございます!」と頭を下げる。

やっぱ先生に対する返事だよなと思うけど
そこはしかたない。
実際先生と生徒で、黒沼が卒業するまでは
俺が教師を辞めないかぎりそれは変わらないんだから。

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