「合コンで初対面でお持ち帰りされる風爽」を書こうと書き始めたこのお話。
しかしどうにも無理がある。
書きながらいろいろ考えて、高校は同じだったけど同じクラスになったことがなくて
風早くんは初対面。
でも、爽子ちゃんは人気者の風早くんのことは知っていて
「あんなふうになれたらいいなー。」くらいの軽い憧れの気持ちを持っていた
ということにしました。
タイトルは今回も9mmの曲名からいただきました。

短編にするつもりだったので書き上がったらUPするつもりが
また長くなりそうになってきたので書けてるとこまでちょいちょいUPします。

よろしかったらおひとつどーぞー。

[6回]

　　　

１　菅原くんの事情


大学に入って、勉強に部活にバイトにと忙しくしてたら
気がついたらもう３年になっていた。
新学年になってしばらくして
今期のパターンに馴染んできた頃のこと・・・。

大学で友だちになった同じスポーツ科学学科で野球部の菅原が
合コンに行かないかと誘ってきた。
今まで同じ学科の奴らにも何度か合コンに誘われたが
俺はどうも合コンっていうのが苦手でだいたい断っていた。
菅原の誘いなら乗りたかったけど、どうにも合コンは苦手なんだ。


「ごめん、行かない。」

「なんで風早は合コン参加しないの？
　彼女欲しくない？
　ああ、風早なら合コンなんか行かなくても
　ほしいと思ったらできるか。」

「んー、別に無理にほしいと思わない。
　今、野球で充実してるし。」

「実はさー・・・田中マネに頼み込んで
　やっと実現しそうなとこまで来たんだけどさー。
　『風早連れてきたら女の子集めてあげる。』っていわれてさー。」

「なんで俺？」

「さ、さあ・・・田中マネ、風早のこと好きなんだと思う。
　風早いいやつだしイケメンだし、しょうがないよな。
　うん、好きになるよな、女子は・・・。」

「田中にそんな事言われたこともないし
　田中のことそんなふうに見たことない。
　そもそもそんなに話したこともないんだけど・・・。
　菅原のほうがよく喋ってるよね？」

「良かったー。風早にその気があったら勝ち目ないもんなー。
　よく喋ってるって言ってもなー・・・。
　なんとも思ってないから普通に話しやすいんだと思うよ。」

「・・・菅原は田中が好きなの？」

「まあ・・・そういうこと・・・。」

「だったら合コンとかじゃなくて直接田中に言えばいいんじゃないの？」

「今告ったところで『好きな人いるから。』って断られちゃうじゃん。
　この場合の『好きな人』は風早な訳だけど。
　だからさ、合コンでちょっとでも田中に意識してもらえたらいいなって。
　できたらそこで風早に彼女できたりとかしたら
　田中が俺を見てくれる確率もちょっと上がるかなーとか。」

「そんなうまくいくとは思えないけど
　俺に彼女できるとかありえないし・・・。
　でも菅原の気持ちは応援する。
　俺が参加するのが応援することになるなら参加するよ。
　菅原、頑張れよな。」

「ありがとう風早！！俺、頑張る！！」

菅原はいいやつだし、田中は働き者のいいマネージャーだ。
二人はお似合いな気がする。
俺になにかできるとは思わないけど
友達のためにその機会を作る手助けくらいはしてもいいかと思った。