学食に行ったら、さっきの陽子さんたちや、他にも何人かの黒沼の顔見知りの人たちがいて、
あっという間に俺と黒沼はは取り囲まれてしまった。
「あ、爽子と風早くんだー!」
「え?彼が噂の風早君?」
「そうそう!爽子の彼氏!」
「えー!?北幌から遥々爽子に会いに来たのー?」
「いつも話し聞いてると、爽子がメロメロなのかと思ってたけど、
いやー、ラヴラヴなんだねー!」
「あー、どっちかって言うと俺の方がべた惚れなんだ。」
「えー、ちがうよー、私のほうがもっと大好きなんだよー!」
「うわー・・・あてられるーー!」
「道理で黒沼さんって合コンとか全然参加しないわけだよね。」
「男に興味ないのかと思ってたけど、そういうことなのかー。
俺、黒沼さん、結構タイプだったんだけどなー。」
「「ええっっ!!」」
「もう、佐賀くん、ややこしいこと言わないのー!」
「ああ、ゴメンゴメン!嘘じゃないけどさー、さすがに君たち見て
風早君だっけ、君から奪おうなんて気にはならないよー。
こんな勝ち目のない勝負があるだろうかって感じだよなー。」
「うん!俺、黒沼のこと絶対手放す気、無いから!」
「大丈夫だよ!風早君、あたしが爽子の周りの男達にはよーく言っとくから!
爽子にはすっごいイケメンのべた惚れの彼氏が居るから惚れても無理だって!」
「俺、すっげー心配症なんで、よろしくお願いします、陽子さん。」
「まっかせなさーい!!あ、もうすぐ3講目始まっちゃう!じゃあねー、爽子!
風早君、爽子とごゆっくり!」
かなり人が少なくなって、俺達を取り囲んでいた人たちも
それぞれの講義に向かって散っていった。
「なんか、騒がしくってごめんね。」
「いや、学食だからね、ある程度は覚悟してたよ。
でも、思ってた以上に黒沼、人気者なんだね。
えっと、佐賀くんだっけ、彼はどういう知り合いなの?」
「あ、佐賀くん!!びっくりしたよね!
私もびっくりだよ!!
今までそんなこと言われたことなかったんだけど!
一度講義で、発表の班が同じになったことがある人なんだけど・・・」
「じゃあさ、きっと黒沼が誰とも付き合ってなさそうなら
いずれ声掛けようと思ってたんじゃない?」
「えー、そんなこと!」
「黒沼、そういうの、気づかないもんね。」
「あああ、ごめんなさい!鈍感でー!」
「ははは・・・、でも、俺、今日来た甲斐あったって感じかな。
黒沼の周りの男達に牽制できたみたいだし!」
「きっと佐賀くんくらいだよ、そんな人、他にいないよー!」
黒沼は相変わらず自分のこと分かってない。
ちょっと付き合えば、きっとみんな黒沼の事好きになる。
女子も男子も関係ない。
でも黒沼は自分が好かれないのが普通だって思ってるよね。
俺にとって黒沼がどれだけ特別かもまだまだ過小評価してる。
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