19 夏目視点
ササヤンくんに大きなため息をひとつつかれたところで
扉がカララと開いて、風早くんが教室に一歩足を踏み入れて
「わっ!」って言った。
こんな時間にここに誰かいるとは思ってなかったみたい。
ササヤンくんと私を交互に見て、
「え・・・ゴメン!!なんか邪魔したのかな!?」って。
「あー、全然俺たちはそんなんじゃないからさ。
そんなことより・・・」
ってササヤンくんが言うからちょっとムッとする。
私達だって大事な話してたんじゃないんですか?!
そんなことってなんですか、そんなことって!!
「そっちはうまくいったみたいだね?
話をした結果、二人一緒ってことは・・・付き合うことになったの?」
ササヤンくんの続きの言葉を聞いたら
ちょっと引っかかってたことなんて瞬時に忘れてしまいました!
「え?え?!そうなんですか?クッキー、ほんとに?!」
「う、うん。そうなの。あさ子ちゃんのおかげだね。」
クッキーの笑顔が輝いてます!!
「き、聞きましたか?ササヤンくん!!
私のおかげ・・・私のおかげで、クッキーと風早君が!!」
「あー、よかったね。
たまたま今回はうまく事が運んだけどさ、
俺はやっぱりアレは不用意な発言だと思うよ。」
「クッキーがああ言ってくれてるのに、
なんでササヤンくんがダメ出しですか?!」
「だってさ、やっぱりあんなほとんどクラス全員の前で
言うことじゃなかったんじゃないかって思うけど。」
「うーん、それはちょっと・・・そうかも・・・
風早君が困ってたんじゃないかって思うから・・・。」
え?あー、輝く笑顔が曇っちゃいましたー!
「いやっ!大丈夫!ホントのことだったから、
俺は全然困ってなんかない!ホント!」
はー、こういうフォローの巧さが人気者の秘訣ですか、風早君・・・
「あ、風早君が困ってなかったのならいいの。
私は嬉しい事ばっかりで申し訳ないっていうか・・・
・・・それで、あさ子ちゃんはササヤンくんと
お付き合いするの?」
「え?え?な、なんでですか、クッキー!?」
「だって、あさ子ちゃんササヤンくんのこと大好きだよね?
二人でそういうお話してたのかなって・・・違った?」
「サ、ササヤンくんのこと大好き・・・ですけどっ、付き合いません!!!」
「は?俺のこと?本気で言ってんの、夏目さん!?
なのに俺の好きは取り消せとか言うの?
付き合ってはくれないの?
もう、分かんないよ、夏目さん!」
「あ!この4人でダブルデートとかしたいですよね!
遊園地とか楽しそうじゃないですか?どうですか?」
「・・・夏目さん、ダブルデートって
二組のカップルでするもんなんじゃないの?
・・・付き合ってはくれないんでしょ?」
「えー?私達はお友達で・・・ダブルデート駄目ですか?
クッキー、風早君、駄目ですか?」
「素敵だね!楽しそうだね!私は行きたいよ!!」
「俺は、その、ササヤンさえ良ければ異存はないよ。」
「いや、友達だったらそもそも一緒に行っても、デートじゃないじゃん。
って、もういいよ。
4人で行くのは、うん、楽しそうだよね。」
よかったです。
クッキーと風早君がうまくいってくれて。
それに風早君、私達と一緒に遊んでくれるって言ってくれて。
ササヤンくんとお友達が続けられて。
クッキーも私も幸せだなあって思います。
ずっとこのままで居れたらいいって思います。
滅多にお願いしないので、どうか神様お願いします。
ずっとこのままで居させてください。
END
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