14 諸事情により、泳ぎに行くためにいろいろ前準備が必要です。
水着は買った、買ったんだけど・・・
ちゃんと俺の希望の、上着付きで長めの巻きスカートみたいなのが付いた
水着にしては多分かなり露出の低い、爽子によく似合うピンクの水着。
買って帰って軽い気持ちで、「着て見せてよ。」と言ったら、
爽子も快く着てみてくれたんだけど・・・・
俺にとって爽子の水着姿は思った以上の破壊力だった。
俺だって女の子の水着姿を見たことがないなんてことはなかったんだ。
そうそう、同級生のグループで海に行ったり、プール行ったり、
普通にしたことあるんだよ。もちろん女子も一緒に。
当然みんな水着で、ビキニの娘だっていたように思う。
あたりまえに可愛いなとか、水着やっぱいいなとか思ってたよ。
俺だって男だからさ、それはごく普通でしょ。
だけどこんな事態にはならなかった。
爽子がバスルームの脱衣所で着替えて、部屋に出てきた瞬間
俺は間違いに気づいた。
部屋の中で水着を着てるというミスマッチな状況のせいなのか
爽子に今までにない色気を感じてしまって、正直俺は動けなくなってしまった。
爽子と暮らし始めて間もない頃はかなり頻繁に赤面していたけど
やっと最近では落ち着いてきたと思ってたのに、
この状況でまた盛大に頭に血が上る。
そして今回更にやばいことに別の場所にも・・・なんか俺の中の血液が
急に増えちゃったんじゃないかって感じで急速に巡ってる、いや、留まってる。
こんな俺の状況を爽子に見せる訳にはいかない。
キスで子供が出来るとか(多分もう小学生だってそんなこと思ってないだろう)
そんなこと思ってる爽子に・・・どうすりゃいいんだこの状況!?
素数でも数えるか!?――数えるほどわかんねーや、俺!
たまたまテーブルに肘をついて腕を組んだりしてたので、
俺が前屈みなのも、多分あんまり不自然ではなく
爽子の目に写ったんじゃないかと冷や汗が流れる。
とりあえずはセーフだ。
あーもー、暑いんだか寒いんだか分かんない。
「ど、どーかな・・・」と、爽子が少し怪訝な顔で俺にきいてくる。
多分少しは俺の状態が普通でないことに気がついているのかもしれない。
「かっ・・・可愛いよ!!すっげー可愛い!
可愛すぎて・・・閉じ込めときたい・・・」
「え?・・・閉じ込め・・・?」
俺が自分の状況をどうしようかと考えこんでうっかり黙りこんだら
爽子は、何か言わなきゃとでも思ったのか、水着の説明を始めた。
「これね、この水着、4点セットなの。このパーカーと、
巻きスカートみたいになるこれ、パレオって言うらしいんだけど
コレをウエストで結んで着るの。中はね、ふつうのビキニだよ。」
そう言いながら、パーカーを開いて見せてくれて、クルッと回った。
爽子は俺を殺す気なのかもしれない!
胸の膨らみや、お腹、更にはパレオの結び目の下から
太ももまで見えてしまって・・・
それから・・・爽子は貧相と言う言葉をどうやら、
痩せているという意味で使っていたらしいとわかった。
確かに痩せていて細いのだが、けして貧相などではなかった。
あーもー、何をしっかり見ちゃってるんだよ、俺・・・
この状況を収められないじゃないか――!
「ム、ムリっ!!そんなの、他のやつに見せられない!!
泳ぎになんて行けないよ!
ビーチやプールサイドでそんな爽子を他の男に見せるなんて
俺が嫌だ!!我慢できない!」
「・・・あ、翔太くんが嫌なら・・・仕方ないよね・・・」
着て見せてもらったのが間違いだと思いもしたけど、
泳ぎに行った先でいきなり見てこの状況になるくらいなら
やっぱり見せてもらって正解だったのかも。
俺、いつか普通に爽子と泳ぎに行けるようになるだろうか・・・
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