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  二次創作の文を置いてます。 駄文ばかりに付き読後の苦情はご勘弁を。 コメントのパスワードは「君に届け」です。
                       
   
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ちょっとお久しぶりです!
いや全然そんなこと無いよって言われそうですが、
私が書きたかったんだよー!!
あー、まだまだ楽しいな~、私が!

また、終わりに向かうのに関係無いような寄り道話ですが、
一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです♪



拍手[6回]

   

   


15 確かに胃袋も掴まれてるけど、それだけじゃないって分かってる?


今年は泳ぎに行くのは俺が無理みたいだ。
もしかすると今年しか無いかもしれないんだけどどうしようもない。
水着姿を見ただけであの有り様とは・・・情けない。

普段の服装が堅すぎるからかもしれないよな。
ということで、もう少しくだけた服を普段から着てもらおうと思う。
別に必要以上に露出度の高い服とかそーゆースケベ心では断じて無い!
うん!爽子の洋服を一緒に買いに行こう!
水着の店に入ったんだから、洋服売ってる店くらい一緒に入れるだろう。
一人で待ってて、また声かけられたりとかめんどくさいし。
あの時の娘達はジョーに押し付けてきたけど、
いつでも彼女募集中だと公言してやまないジョーだから問題なかっただろ。
もともとジョーが出てこなければその場で断ってたんだから。

「翔太くん、今日はなにか予定あるの?」と、訊かれるのが
夏休みに入ってからお決まりになった。

「うん!今日は爽子の服、買いに行こ!!」と言ったら、

「えっ?」と爽子が言うのと同時に、チャイムが鳴って来客を知らせた。
ドアの覗き窓から外を確認すると、ジョーが立っていた。
なんでいきなり訪ねてきたんだろう・・・

ちょっと待たせておいて、小声で爽子に
「なんか友達来たからちょっと隠れてくれる?」と言う。

「え?でも、同棲してることになってるんなら・・・」

あー、そうだ・・・
朝から一緒にいてもおかしくない、ってか居ないほうが不自然か?

「――それでも、ジョーに爽子を見せるのもったいない。」

「え?え?・・・あの、翔太くんがそう言うなら、おうちに引っ込んでおきます。」


ドアを開けると、ジョーが立っていた。
更にその横に、胡桃沢がなぜだか立っていた。

「え?なに?なんで二人で朝から俺んちに?」

「あー、俺も朝から悪いとは一応思ってんだけどさー・・・
 くるみちゃんがどーしても風早んち教えろっていうからさー・・・
 朝じゃないと出かけちゃうかもって言われたら
 『そーかもな~』って思ったし。
 風早が同棲してることも言ったんだぞ!
 だから、部屋を尋ねるなんてしないほうがいいって!
 そしたら、彼女の顔見ないと納得いかないって言ってさー
 俺も彼女の顔ハッキリ見たこと無いって言ったら
 じゃあ、あんたも来なさいって連れて来られた・・・訳なんだけど。」

「はぁ~~・・・あのね、彼女にはもったいないから会わせない。
 胡桃沢が納得しようがしまいが、俺が彼女を好きな事実は変わらないし、
 俺は彼女以外好きになんかならないんだから・・・」

「納得出来ないと諦められないじゃない!
 本当にそんな彼女居るの?風早の妄想じゃないの?
 居たとしても風早に似合ってる娘じゃなきゃ私は諦めないわ!!」

「くるみちゃん!居るのは確かだよ!俺、顔は見てないけど姿は見たし!」

「俺に似合ってるかどうかなんて大きなお世話だよ。
 ハッキリ言って迷惑だから帰って!」

少し口調が喧嘩腰になってきてしまったところで
突然、後ろから爽子の声がした。

「翔太くん・・・朝から玄関先で言争いするのはご近所迷惑だよ。
 中に入ってもらったほうがいいんじゃないかな?」

「爽子・・・なんで出てきたの?いいんだよ!すぐ帰ってもらうから!!」

「あの・・・ご挨拶させてもらっては駄目かな?
 翔太くん以外の人ともお知り合いになってみたいんだけど
 ・・・翔太くんは嫌かな?」

正直なところホントは嫌なんだけど、
爽子にお願いされてしまっては断れない。

「ホントに・・・どうしても・・・そうしたいの爽子?」

「うん!だってお二人とも、とってもいい人みたいだし!」

今の会話のどのあたりを聞いてて、そんなふうに思ったのか甚だ疑問だが
爽子のワクワクしてますって書いてあるような顔を見て、
仕方なく二人を部屋の中に招き入れた。


「あ、翔太くん、朝ごはん食べかけだけどどうする?」

「続き食べるよ。そのままにしといて。」

俺としてはこの二人を客だなんて思わないので気にせず食べることにした。
爽子は二人の前にコーヒーを出して、二人を見て言った。

「良かったらフレンチトースト、召し上がりますか?」

その言葉を聞いて気がついた。
二人の視線が俺の食べかけの朝食に注がれていることに。
そう言えば俺も最初豪華で驚いたんだった。
すっかり慣れてしまってたけど。

「えっ?!いいの?」とジョーが言う。
遠慮ってものを・・・知らないよな、ジョーだもん。

「もちろん!直ぐに焼くから待っててくださいね。」

そう言って嬉しそうにフレンチトーストを焼きに行った爽子に聞こえないように、

「二人共、爽子が焼いてるから仕方ないけど・・・
 フレンチトースト食べたら直ぐ帰ってくれよ!
 俺は別に話すことなんてなんもないから!!
 俺達これから出かけるつもりだし。」

「えー?そんな邪険にすんなよ―、風早ー!」

「いくらジョーでも、今歓迎されてるなんて思ってないよな?」

「え?でも、爽子ちゃんだっけ?彼女は歓迎してくれてるっぽいけど?」

俺がひとつため息を付いたところで爽子が、
「お待たせしました!くるみちゃんもどうぞ。」と
フレンチトーストを持ってきた。

「くるみちゃんなんて呼ばないでよ・・・」と言う胡桃沢に

「あああ・・・ごめんなさい!馴れ馴れしかったですよね?
 な、なんて呼べば・・・く、胡桃沢さん・・・でいいかな?」なんて言ってる爽子。
だけどすでに、胡桃沢はそれよりフレンチトーストの香りに
気を取られてるようで、思わずフレンチトーストを口に運ぶ。

「なによ、普通のフレンチトーストなのに・・・
 こんなに美味しいなんて・・・ずるい・・・」といいつつ残さず食べた。

「なにこれ、うまー!!風早毎日こんなの食ってんの?ずりぃ~!」
と、ジョーも一気に完食した。

「わかったぞ!風早!おまえ、胃袋掴まれたんだなー!!」

「風早の弱点はそこだったのね!悔しいけどそこは・・・」

そんなことを言いつつ、急におとなしくなって二人は帰っていった。



二人が帰った後、爽子が
「なるほど、胃袋を掴む・・・」と、妙に納得した顔をしているので、

「俺は爽子の料理だけが好きなんじゃないからね!」と言ったのに

「そうそう、最初に翔太くん、『ケーキ美味しかったし』って、
 うん、言ってた、言ってた・・・」って・・・。

俺以外の言葉はどーしてそんなに鵜呑みにするかな・・・
俺の言葉はなんでうまく爽子に届かないんだろうか?
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