天使な悪魔#15の あと編
まさか風早がそんなに食べ物に弱いなんて思いもしなかった。
あ、食べること好きだからファミレスでバイトだったの?
うん、あの店はファミレスにしては料理が美味しいって評判の店だものね。
確かに料理は上手いみたい、爽子ちゃん。
フレンチトースト食べただけだけど。
普通のものが普通よりなんかちょっと美味しく作れるって大したことなのかも。
私より綺麗でも可愛くもないけど、凄く負けた気分だわ。
そう思いながらも隣を歩く城ノ内に、
「私の方が綺麗だし、可愛いわよね!そう思うでしょ、城ノ内!?」と、問いかける。
「うん。くるみちゃんより綺麗で可愛い子なんていないさ~。」
そう返ってくると思ってたから、そうでしょそうでしょと心の中で頷きながら
「ホントに、城ノ内って調子いいわね。風早と大違い。
ヘラヘラしちゃってなんか言葉に真実味がないっていうか・・・
そんなだから女の子にアプローチしても本気にされないのよ。」
「くるみちゃん、手厳しいな~。俺はいつだって超本気なんだけどな~。」
「まー、城ノ内がどう思おうと、風早が好きになってくれないことに変わりないし、
綺麗も可愛いも何の意味もないことよね・・・」
「えー・・・そりゃ、風早はそうかもしれないけどさ・・・大事なことでしょ、可愛いのは!」
「城ノ内に言われたって何の足しにもならないわ。」
「ひでぇ~・・・」って言った後、ちょっと考えて城ノ内は続けた。
「で・・・、くるみちゃんさ、今日風早んち行ってあきらめついたの?」
「ん――・・・そうね、あきらめっていうか・・・
風早って・・・私が思ってた風早と違ったって言うか、
爽子ちゃんに対する風早は今までの風早と違うっていうか・・・
私は爽子ちゃんに別に負けたとは思わないけど
風早と爽子ちゃんがセットに成っちゃうと
私の入る余地なんて無いんだなあって・・・分かったかなー・・・。」
「そっかー・・・よかったじゃん!」
「えー・・・よかったの?これ・・・?」
「だって、風早にいつまでもこだわってるよりさ、次に進めるじゃん。
例えばさ、例えばだけどー・・・俺とかさー・・・。」
「風早の次が城ノ内って・・・なんでそんなに下げなきゃなんないのよぉー・・・」
「そんなにって・・・くるみちゃん、俺に容赦無さ過ぎじゃね?」
「そーね。城ノ内って思ったまま言えて、ホント気が楽だわ。」
「そーでしょ!そ!そこが俺のうり!!」
「何言ってもめげないわね。」
「そこも俺のイイトコだから!あ、くるみちゃんお昼ごはん食べに行こうよ!
俺、バイト代入ったから奢るからさ~。」
「奢ってくれるんなら一緒に行ってあげてもいいわよ。」
馬鹿ね、同じとこでバイトしてるんだから、私もバイト代入ったのに・・・
私の方が古株な分、私の方が多いのに・・・
「やったー!くるみちゃんとデートだ――!!」
「違うって言ってるでしょ!!馬鹿なの!?」
まあいいわ。別に城ノ内のこと嫌いってわけじゃないし・・・
もちろん、好きってわけでもないけど!
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