TEXT　君に届け爽子ちゃんとあさ子ちゃん

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2024/04/23 (Tue) 　　

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爽子ちゃんとあさ子ちゃん　９

2014/07/23 (Wed) 爽子ちゃんとあさ子ちゃん　　

いまいち「となりの怪物くん」とのダブルコラボであることが

生かせてないんじゃないだろうか？

大丈夫でしょうか？（誰に訊いてる？）

[2回]

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９　風早視点

今日は少し余裕を持って学校についた。

いつもこうだといいよな、うん。

あ、あれは・・・黒沼と友達になったって言ってた夏目さんだ。

ササヤンが夏目さんのこと好きだって言ってたっけ。

俺、だいたい苗字呼び捨てて呼んじゃうけど、

ササヤンが『夏目さん』って呼んでるのに、

さすがに呼び捨てで呼んじゃまずいよな。

「夏目さん、おはよう。」

「あ、風早君。おはようございます。

　・・・あっ！クッキーですよ！風早君！」

そう言われて思わず夏目さんの視線の先をたどると、

黒沼とでっかい男子がなんだか楽しげに談笑している。

多分、クラス委員に立候補したりして目立ってた三浦ってやつだ。

「おっはようございます！クッキー！」と手を振り駆け寄ろうとして、

振り上げた夏目さんの手が固まる。

なんで黒沼が三浦と？って思ってたら、

いきなり三浦は黒沼の髪に触り始めた。

初めは前髪だけだった。

それだってびっくりしたっていうのに、

次に顔の横からかき上げて、

最後には項から全体をまとめて後ろに持っていった。

三浦がでかくて、黒沼は小柄だからそんなことしたら

三浦の懐にすっぽり収まっちゃって、

まるで抱きしめられてるみたいで、

目撃してしまった俺は、軽くパニックになった。

なにしてんだよ！黒沼に！！

黒沼も黒沼で、なんだかちょっと嬉しそうですらあって、

嫌じゃないの、そいつにそんな事されて！？

更に黒沼が手をかざすと、それに三浦が手のひらを合わせてきて・・・

なに・・・朝の教室前の廊下で手を合わせて

微笑み合ってるってどういうこと！？

いつの間に黒沼と三浦ってそんなに仲良くなったわけ？！

隣であっけにとられてた夏目さんが我に返ると、

プルプル震えて怒りだした。

「な、な、な、なにしてくれてんですかー！？

　私のクッキーにーーー！！！」

そう言いながら三浦に掴みかからんばかりの勢いで突進していった。

せめて俺も

『なにしてくれてんだよ！俺の黒沼に！！！』って

言える立場だったらな・・・

もう少し前までは、黒沼にとって男子の中じゃ一番近い存在だと、

思えてたんだけど、今はとてもそんな風には思えない。

だって最近会話も殆ど無い有り様だし。

話す回数ならきっとササヤンのほうが多いくらいだ。

だけど、夏目さんがあんな風に怒るってことは、

三浦もまだあんな事するのが

当たり前の仲って訳じゃないんだと思う、思いたい。

今ならまだ間に合うのかもしれない。

それに、正直、もう、俺の中で持て余してしまうほど

黒沼への気持ちは膨れ上がってしまっているんだから。

俺の気持ちを黒沼にぶっちゃけてしまいたい。

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爽子ちゃんとあさ子ちゃん　８

2014/07/22 (Tue) 爽子ちゃんとあさ子ちゃん　　

では、もひとつ、８でっす！

[1回]

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８　黒沼視点

お友達が増えました♪

おかげで毎日楽しいです！

あさ子ちゃんもササヤンくんも師匠もとってもいいひと～！

ことに師匠は毎日懲りずに私に「笑顔の特訓」をしてくれます。

感じ良くなりたい。

風早君の近くに居られるくらい。

風早君の爽やかな笑顔には到底及ばないまでも、

暗いとか固いとか怖いとか言われないくらいの笑顔、

なんとか身につけたいです。

最近風早君とは全然お話出来てなくて。

気が付けば男子の中心にいる風早君に

今までどうやってお話出来ていたんだろう。

なんて考えながら登校して来たら、

早々に教室前の廊下で師匠と会えた。

「お、おはようございます、師匠！」

「おはよう、貞子ちゃん！・・・うーんやっぱりまだ固いなー。」

「か、固いですか！？」

「こう・・・・おはよ♡」

「お、おは・・・」

「う～ん・・・どうだろう、・・・前髪分けてみるとか！」

そう言うと前髪をいきなり真ん中でぱっくり分けてみたり、

横分けにしてみたり、

「サイドの髪が暗い感じなのかも！」と、

耳より上のサイドの髪を後頭部でまとめて持ってみたり、

「いっそポニーテールとか！」

って、全部まとめてみたり。そうかと思えば、

「あ、貞子ちゃん、手がちっちゃくて可愛いじゃん。

　ほら、俺と比べてみてよ、ね、こんなに違う！」

思わず出した手に師匠の手が合わせられて、

「わー、ほんとだ、男子の手って大きいんだね！」

って、私も単純に驚いていたら、前から憤怒の形相の

あさ子ちゃんがやってきた。

「ちょっと、三浦君とやら！

　クッキーの綺麗な黒髪に何してくれてんですか！！！

　くっちゃくちゃじゃないですかあ！

　それに、手に触るとか、いやらしい！！！」

ふと、視線を感じてあさ子ちゃんの後ろに目をやると、

ふいっと視線を逸らして教室に入っていく風早君が見えた。

あ、でも、私の勘違いで、

もともとこっちを見てなんかいなかったのかもしれないけど。

「あはは、ごめんねー。」

という師匠を残して、あさ子ちゃんに引っ張られて教室に入った。

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爽子ちゃんとあさ子ちゃん　７

2014/07/22 (Tue) 爽子ちゃんとあさ子ちゃん　　

更に、７　行くよ！

[0回]

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爽子ちゃんとあさ子ちゃん　６

2014/07/22 (Tue) 爽子ちゃんとあさ子ちゃん　　

そんなわけで、６！
どんどん行くよー！

[0回]

つづきはこちら

６　三浦視点

気持ちのいい天気に誘われて

昼休み、中庭に出てみたら

女子が４人でお昼してるのに遭遇。

うん、みんな顔は知ってる。

一人は隣の席の「ちづ」、

一人は隣のクラスのちづの友達の・・・「あやね」だっけ。

あと二人は同じクラスだけどまだ話したこと無い・・・

そうそう「貞子ちゃん」だ！

それと、夏目あさ子・・・「あさ子ちゃん」じゃん！

お近づきになるチャンスかなー！

おー、なんか楽しそうじゃん！

ちょっと混じってみよう！

「お昼してんの？俺も混ぜてもらっていいよね？」

うん、明らかにアウェイな雰囲気。

俺、空気が読めない訳じゃないからね。

でも、めげないだけなんだー。

誰より嫌な顔なのがちづ、

あやねは睨んでるし、

あさ子ちゃんは不機嫌丸出し、

貞子ちゃんは鳩が豆鉄砲食らった顔してる。

「あー、ちづ、だめだよ、そんな顔しちゃあ！

　美人が台無し！！

　あとの三人もさ、話したこと無いけど知ってるよー。

　あやねと、あさ子ちゃんと、貞子ちゃん、だよねー！」

名前を呼んでみたら、貞子ちゃんだけちょっと嬉しそうだった。

よし、貞子ちゃんから攻略してみよう。

「貞子ちゃんって、もっと暗い雰囲気なのかと思ってたけど、

　友達といると、結構明るいんじゃん！

　もっとクラスでもその感じ、出してけばいいのに！」

「わ、私の事、ご存知で？！

　わー、男子に明るいなんて言われたの久しぶりです！」

「えっ？前にも言われた事、あったの？誰に？」

「あ、あの１年の時に・・・風早君に・・・

　で、でも、気を使って言ってくれたんだって

　ちゃんと分かってますから！」

「俺、風早じゃないからどういうつもりで言ったか知らないけど、

　ちゃんと明るいじゃん、貞子ちゃん。

　素直に受け取っといていいんじゃない？

　あ、でもね、ちょっと固いよね！

　もう少し柔らかく可愛い感じで行ったらいいんじゃないかなー。」

「か、固い・・・ですか・・・

　柔らかく可愛い感じって、具体的にどうすれば？

　どうやら印象が良くないらしいとは解ってるんですが、

　どうしたら感じ良くなるのか解らなくて・・・」

「やっぱりそこは笑顔だよね！

　柔らかくにっこり笑ってみよう！」

そう言ったら、素直に笑ってみてくれたんだけど・・・

頑張って笑ってますよって感じの、にっこりとは程遠い固い笑顔。

「ちょっとやめてよね！無理に笑わすと怖いんだから！」

って、あやねに怒られた。

「男なんかに媚びることないですよ！クッキー！！

　クッキーはこのままで十分可愛いんです！！」

あさ子ちゃんもなんだか口調がキツイ・・・

「あああー、やっぱり怖いんだー。」

と、嘆く貞子ちゃん。

「ケント！あたしの爽子にちょっかいを出すのは

やめてもらおうか！！」

って、ちづも辛辣だ。

「三浦君は悪くないの。

　私の笑顔が怖いのがいけないの！

　・・・三浦君、怖くない笑顔のやり方、

　教えてもらえないかな？」

笑顔のやり方？

笑顔が怖いほうがおかしいんだけど？

でも、女の子のお願いを俺が断るなんて有り得ないから。

「俺で良ければお安いご用だよ！」

「わ、わ、わ・・・ありがとうございます！！師匠！！」

グッと胸の前で拳を握りしめた貞子ちゃん。

『師匠』って呼んでくれちゃうんだ！いい響きだなー、うん！

でもね、そんなに力入れなきゃ、

多分優しく笑えるはずなんだけどね。

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爽子ちゃんとあさ子ちゃん　５

2014/07/22 (Tue) 爽子ちゃんとあさ子ちゃん　　

毎日更新は無理かなとか言ってたら
一日挟んで
なんか５～８までできちゃった。
毎日一個づつとかも面倒なので
作業でき次第ガンガンUPします。

[1回]

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５　吉田千鶴視点

あー、もー、一週間だよ。

いい加減席替えしてくれないかなー・・・

あたしの隣のやつ、三浦健人とか言うやつで、

濃いし、鬱陶しいし、馬鹿だし、五月蝿いし！

馴れ馴れしく「ちづ」呼ばわりしてくるしー！

なるべく近づきたくない！

だからここのところ登校したら爽子の席に行くことにしてる。

爽子の席の隣のあさ子も面白い子で結構好きだ。

やのちんは隣のクラスになっちゃったけど、

体育は一緒だし、お昼も中庭で一緒だ。

帰るのも特になんか無いときは、

あさ子も入れて４人で帰るようになった。

一年の時以上に一緒にいるのが楽しい。

女同士がこんなに楽しいなんて

中学まではおもってなかったなー。

で、女同士が楽しい所為か、

最近、男子とろくに話した記憶が無い。

龍がクラス別れちゃったからかもしれないけど。

風早とは同じクラスだけど、ここのとこ全然話してないな。

あっちもあっちで、ササヤンも一緒だから尚更なのか、

結構男子ばっかりで集まってる感じだな。

あたしは別にいいんだけど、爽子はいいのかな？

そう言えば爽子、バレンタインに風早に

チョコ、渡せなかったとか・・・

それなのに最近あんまり話せなくなってるっぽいのは、

良い事じゃないんじゃないのかな？

うーん・・・これはやのちんに要相談かな？

そんな訳で、今日の昼休み「やのちんにこっそり相談だ！」

そう思って、いつも通り中庭に行ったんだけど・・・

どういう訳だか、そこにやって来たのが

なるべく近づきたくない男、アホケントだった。

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爽子ちゃんとあさ子ちゃん　４

2014/07/20 (Sun) 爽子ちゃんとあさ子ちゃん　　

ササヤン視点・・・
ササヤンの名前、ちょっとさがしました。
コミックスの最初の登場人物紹介っぽいとこに
「ササヤン」って書いてあるんだもんなあ。
ああ、ヤマケンくんも、「ヤマケン」だ。
山口・・・なんだっけ？

[1回]

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４　佐々原視点

席についてみたら、俺と風早も隣同士だった。

まあ、ちゃんと席替えするまでの短期間だろうけど。

黒沼さんは風早のこと、

『友達っていうのもおこがましい』なんて言ってたけど、

なんか凄く仲良さそうなんだけど、ちがうのかな？

「風早、黒沼さんってどういう人？」

「えっ？な、なんで？」

「んー・・・夏目さんちょっと変わった人だからさ。」

「黒沼が友達続けられそうか心配してるってこと？」

「夏目さん、黒沼さんのことかなり気に入ってるみたいだからさ、

　やっぱり友達になれないとかなったら凹むんだろうなーって思ってさ。」

「心配ないと思うよ。

　黒沼から友達になれないとか絶対言わないよ。」

「ふーん、断言しちゃうんだ。

　結構、仲いいんでしょ？黒沼さんと風早。」

「え？や、いや、でも、黒沼にとっては

　友達未満らしいから、なんとも言えないけど・・・」

「風早にとっては？」

「サ、ササヤンこそ随分気にするじゃん、夏目さんのこと。」

お、風早、切り返してきたか！？

「俺？夏目さんのこと好きだよ。

　面倒くさいけど、面白いし、かわいいんだ、夏目さん。

　顔も可愛いけど、顔だけじゃなくてさ・・・

　あ、でも、俺もさ、最初に『好きになるな』って

　言われてるからさ、好きじゃないってことにしてる。

　・・・黒沼さんはさ、可愛いって言うより美人タイプだよね？」

「く、黒沼は、か・・・――！」//////

「かー・・・？」

もしかして、かわいいって？

「なんでもない！！！！」

風早、真っ赤だよ。おもしろいなー・・・

風早ってこんな奴だったっけ？

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爽子ちゃんとあさ子ちゃん　３

2014/07/19 (Sat) 爽子ちゃんとあさ子ちゃん　　

これを書くにあたり、一番悩んだのがクラス分け。

二番目が爽子ちゃんの「ミッティ」的な愛称。

「クッティ」そのまんますぎる。

「キューティ」何処の女子プロレスラーだ？

「クローディア」長くて呼びづらいよなー。

「クッキー」語呂もいいし呼びやすいけど・・・お菓子だよなー。

で、結局お菓子です。

今回、夏目視点・・・
夏目と描いたら、貴志くんかと思うよね。

そうそう、アニメのOPでよく見かける
夏目公一郎という人、
アニプレックスの代表取締役だそうですねー。

あ、どうでもいいですかー。

[1回]

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３　夏目視点

ミッティとハルくんが隣のクラスだと知って、

目の前真っ暗だった私ですが・・・

新しいお友達が出来ました！！

クッキー、とってもいい人です！

第一印象は少し暗めですけど、

優しくて親切で、どんなことにも一生懸命で、

それによく見るととっても可愛いです。

クッキーもお友達は少ないらしいのですが、

同じクラスのお友達を紹介してくれました。

ちづちゃんという人で、

一見、ちょっと怖い人なのかなと思ったんですが、

お話してみたらとってもサバサバしてて、

でも、感動屋さんで素敵な人です。

なんか少し見覚えのある人だなと思っていたら、

１年の時、何度か補習や追試でご一緒でした。

更にとっても親近感湧きました。

そういえば、私が好きにならないでと言ったら

絶対大丈夫と本人とササヤンくんが言ってた風早君・・・

もしかすると、ひょっとして・・・

すでに好きな人が居るから？

もしかして、クッキーのことだったり・・・

きゃー、もしそうなら素敵です！

絶賛応援しちゃいます！！

あー、でもです・・・

あの風早君という人、

ササヤンくんと同じ人気者オーラを感じます。

人気者という人種はほんとに苦手です。

彼らの考えは私達には理解不能ですし、

私達のことは彼らに分かろう筈もないんですから。

ササヤンくん、私の事『面倒くさい人』って言いましたね！？

なんかササヤンくんは私に気持ちの良くない言葉を投げてきます。

人気者のササヤンくんは誰とも気持ちよく会話しているくせに、

私にはなんで嫌なこと言ったりするんでしょう？

『好きにならないで』とは言いましたけど、

嫌いになられるのも嫌なんですけど。

ササヤンくんがお友達でなくなるのは困ります！

私って・・・何が面倒くさいんですかね？

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爽子ちゃんとあさ子ちゃん　２

2014/07/17 (Thu) 爽子ちゃんとあさ子ちゃん　　

「君に届け」と「となりの怪物くん」のダブルパロです。

双方、ほぼ原作通りの高１を経て、高校２年になったら、

D組　風早、黒沼、佐々原、夏目、三浦、吉田千鶴

C組　大島、胡桃沢、真田、水谷、矢野、吉田春

のクラス分けになったということで。

学校は北幌高校でもなく、松楊高校でもない。

まあ、北楊高校とでもしておこうかな。

とりあえず爽子ちゃんと夏目さんが友達になる話。

当然、風爽でササ夏です。

[0回]

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２　風早視点

黒沼が隣の席の女子と何やら盛上ってるぽいのが登校早々目に入る。

黒沼は今日もなんか楽しそうだ。

もう俺が「がんばれ。」って励ます必要すらないのかな。

黒沼にとって凄くいいことだって解ってるけど、

小さくため息ついちゃうのは仕方ない。

だって黒沼、今俺が教室に入ってきたのにも気づいてない様子だもんな。

「あー！風早だよね？おはよー！」

俺の後ろから教室に入ってきた男子が声をかけてきた。

中学の時、野球部で一緒だった佐々原宗平だ。

「あ！ササヤンだよな？一緒のクラス？よろしくな。」

「風早居るんなら楽しくなりそうだなー、このクラス！

　あ！！夏目さんも一緒なんだ！おはよー！」

そう言うと、ササヤンは黒沼と話していた

夏目さんというらしい女子のもとに

俺を追い越して歩み寄った。

「あ、ササヤンくん！クラス替え早々私にお友達ができたんです！！

　クッキー！私のお友達のササヤンくんです！」

「えっ？クッキーさん？」

「あっ、く、黒沼爽子といいます。

　たったいま、夏目さんとお友達になりました。

　・・・あ、か、風早君、お、おはよう。」

ササヤンの後ろに俺を見つけて黒沼が挨拶をくれる。

俺も「おはよう、黒沼。また同じクラスだね、よかった。」

と、普通に挨拶した・・・つもりだったんだけど、

なんか件の夏目さんの反応が尋常じゃなくて、

俺、なんか、普通を間違ったかとちょっと焦った。

「ク、クッキー！この男子はお友達ですか？！」

「え、えと・・・か、風早君は、お友達・・・っていうのもおこがましいんですが・・・」

黒沼の答えを受けて、こっちを振り向いた夏目さんは、

さっき黒沼と話していた人と同一人物かと疑いたくなるような顔で

俺を睨みつけてこう言った。

「クッキーのお友達ならお近づきになりたいとは思いますが、

　絶対に私を好きになったりしないでくださいね！！！」

「え？あ、あああ・・・それは絶対大丈夫。絶対ありえない！」

俺の言葉を聞いてまたコロッと表情を変える。

柔らかくにっこり笑って言う。

「なあんだ、そうですか、安心しました。

　どうぞよろしくお願いします、風早君。

　ササヤンくんともお友達なんですか？」

「ああ、風早は大丈夫だよ、夏目さん。

　すっごくモテるから夏目さんみたいに面倒くさい人

　好きになったりするわけ無いよ。」

面倒くさい人を好きにならないっていうのはちょっと語弊があるけど、

せっかくササヤンが言ってくれてるから、まあそういうことにしておこう。

別にモテてなんかないけど。

あー、それにしても黒沼・・・

「友達」くらいは言ってくれてもいいんじゃないかな。

控え目なのも黒沼のイイトコだとは思うけど、

『俺ってなんなの？』って思う、俺が痛い。

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爽子ちゃんとあさ子ちゃん　１

2014/07/17 (Thu) 爽子ちゃんとあさ子ちゃん　　

「君に届け」と「となりの怪物くん」のダブルパロです。

双方、ほぼ原作通りの高１を経て、高校２年になったら、

D組　風早、黒沼、佐々原、夏目、三浦、吉田千鶴

C組　大島、胡桃沢、真田、水谷、矢野、吉田春

のクラス分けになったということで。

学校は北幌高校でもなく、松楊高校でもない。

まあ、北楊高校とでもしておこうかな。

とりあえず爽子ちゃんと夏目さんが友達になる話。

当然、風爽でササ夏です。

[1回]

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１　爽子視点

二年生になりました。

クラス分けの表を見てD組の教室に入ると、

最初は出席番号順に座ることになっていて。

私の番号の席に行くと、右隣の席の女の子が

ノートパソコンのキーボードをものすごい速さで打っていた。

私はパソコンって授業で習った程度だったから、率直に凄いなあって思った。

なんか一生懸命やってるところ悪いかなあと思いながらも、

「おはよう」って挨拶してみた。

彼女は流れるように動いていた両手をピタッと止めて、

グリンと顔をこちらに向けた。

くるみちゃんに負けず劣らずの可愛い顔が私の顔をじっと見た。

「お・・・おはようございます。

　あ、あの、今、わたしに『おはよう。』って言ってくれたんですよね？」

「あ、ごめんなさい。なんか頑張ってるところお邪魔してしまって。

　私、隣の席になった黒沼爽子といいます。

　どうぞよろしくおねがいします。」

「え！？黒沼さん！？もしかして、学年３番の黒沼さんですか？！」

「あ・・・はい・・・必ずというわけには行きませんけど・・・

　だいたいその辺りに居させてもらってます・・・」

「えっと、私、夏目あさ子といいます。

　あのっ！！いきなりなんですけど、勉強、教えてもらえませんか！？

　わたし、・・・どうしようもない大バカ野郎で・・・補習とか追試とかばっかりで、

　去年はミッティとハルくんのお陰でなんとか進級できたんですけど、

　今年はクラスが離れてしまって、どうしようかっておもってたんですー・・・。」

「あ、私で良ければ教えさせてください！

　・・・ミッティってどなたですか？」

「水谷雫さんです！私の親友です！」

「あ！１番か２番の方ですね！あ、じゃあハルくんって吉田くんですか？」

「そうです！ふたりとも私の大事なお友達なんですー！」

「わー、いいですね！」

「あ、あの、私、黒沼さんともお友達になりたいです！

　私、女子に挨拶されること、ほんとになくって、

　『おはよう。』って言ってくれて、凄く嬉しかったんです！」

「わ、私もお友達に！？」

「黒沼さんはー・・・、クッキーですね！」

「え？」

クッキー焼くのは大好きだけど・・・？

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