「え、いや、昨日もだけど、なんで黒沼が謝るんだよ!
俺のほうが謝りたくて来てもらったのに!!
ごめん、俺、昨日、思わず・・・、キ、キスしちゃって・・・」
「え・・・やっぱりそうだったの?」
「ええっ!?分からなかった!?」
「そうなのかもと思ってたんだけど、
『誤解』って書いてあったから、違ったのかなって・・・」
「え、いや、そこじゃなくて・・・。
なんか黒沼のほうが悪いと思ってるみたいだったから。」
「でも、私のお礼が風早くんを謝らせることになってしまったみたいで・・・。」
「お礼?」
「あ、荒井先生が・・・
『風早くんにお礼したい時は、掴んで5秒目をつぶれ。』って・・・。
風早くんが喜ぶからって・・・・。」
「ピンが・・・?!」
「あ、でもね、あやねちゃんが、『こんなつもりじゃなかった』のなんて、
ノーカウントだって言ってたから・・・
だから・・・その・・・気にしないで!!」
「え、ええっ!や、矢野が?!ーーー言ったの、この事!
ノーカウントって・・・黒沼はその方が・・・いいの?」
「だ、だって、風早くんの名誉が!!」
「・・・なんだよ、それ・・・」
「風早くんも初めてだって言ってたから、
その相手が私だなんて申し訳無いっていうか・・・。」
「そ、そんなことないよ!なんかピンの思う壺って感じでムカつくけど・・・・
俺は嬉しかったよ、黒沼とキスできて!!」
「え・・・嬉しかったって・・・そんな気を使わないで・・・
だって・・・『こんなつもりじゃなかった』って・・・。」
「うん・・・ホントにごめん。
あんまり黒沼が可愛くて・・・
つい、ふらふらっと・・・その、キスしちゃったけど・・・。
俺は・・・いつかは黒沼とそんな風になれたらいいなと思ってたし・・・。
でも、それはちゃんと俺の気持ちを伝えて・・・、
そんで、黒沼に俺を好きになってもらえたら・・・、
それからの事のつもりだったから。
あんなふうに黒沼はわけわかんないまま、
・・・奪ってしまったみたいに・・・その・・・するつもりじゃなかったんだ。」
「え・・・ええっ!?」
「俺、黒沼のことが、好きなんだ。
誤解のないように言うけど、キスしちゃったからじゃないからね!
その前から、初めて会った時からずっと好きだから!!」
「・・・あ・・・なんか・・・幻聴?」
「は?なに、ゲンチョウ?え!幻聴!?いや、違うから!!
これでも勇気振り絞って言ってんだから!
現実だから、黒沼!!」
「・・・げ、現実・・・?」
「俺は黒沼のことが好きだよ。
黒沼は・・・俺のこと、どう思ってる?
もしかすると好きだと思ってくれてる?
また俺の自惚れなのかな?」
「わ、私は・・・風早くんのことがーーー
・・・す、好きなの・・・だ、大好きなの・・・」
「それは、その・・・尊敬とかじゃなくて・・・恋愛感情で?」
「そ、尊敬もしてるし、やっぱり憧れでもあるけど・・・
もうそれだけでは居られなくて、なにぶん初めての気持ちで、
持て余しても居るのだけれど、でも、きっと、
風早くんに感じる大好きの気持ちは・・・
恋愛感情なんだなあ・・・って・・・思うの・・・。」
「ホ、ホントに?・・・うわー、・・・夢みたいだ・・・すっげー嬉しい・・・」
そう言って、風早くんは私の大好きなお日様みたいな爽やかな笑顔で笑った。
「わ、私は・・・私も・・・夢みたいで・・・やっぱり・・・夢なんじゃないかな?
やっぱり信じられないよ・・・。
ありえないよ、風早くんが私を好きになってくれるなんて・・・。」
「え、ええっ?黒沼!!ちょ・・・夢じゃないから!」
「わ、私ったら、なんて欲張り・・・なんて我儘、
夢の中で風早くんに好きだって言わせるなんて・・・。」
と言ったらいきなり、強く手首を握られたみたいで・・・
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