5 気にしてないってことにしよう。
あの後、どうやって家に帰ってきたのか記憶が定かで無いのだけど・・・
私の勘違いでないとすると、私は風早くんに
『黒沼が好きだから、ゆっくりでいいから俺のことを考えてみて欲しい。』
というような事を言われたような気がする。
そう、あの、入学式の日、私に笑って『ありがとう。』と言ってくれた・・・
クラスの中心で人気者で、爽やかで憧れで尊敬する風早くんに・・・。
でもどうしても信じがたい。
そんな風早くんがなんで私に?
あれって告白・・・だよね?
なんかすごく自然に言われたけれど・・・
しかもまだ初めて会ってから、ひと月も経っていないのに・・・
もしかしてかなり女の子に手が早い人だったとか!?
いや、いや、いや・・・そうだとしても
それが私とかありえないよね・・・
こんなの絶対おかしいよ!
・・・そ、そうか!!
罰ゲームだ、きっと!
風早くんが私を好きなんてことありえないからこそ
私に告白するのが罰ゲームとして成り立つんだ・・・
うん、妙に納得。
・・・納得できてしまうことが、なんていうのか
寂しいというか悲しいというか・・・
なんとかみんなと仲良くなりたいと、
みんなの役に立ちたいと、
思いつく限りのことを一生懸命やってみているのだけれど
まだまだ私の立ち位置はそこなんだ・・・
クラスで浮いてる陰気者認定なんだなあ・・・
いろいろやって見てるけどあんまり手応えを感じたことなかったし
分かっては居たんだけど・・・
爽やかで憧れで尊敬する風早くんにそれを
再認識させられてしまうなんて、ヘコむなあ・・・
風早くんのこといい人だなって思ってたけど
こういう罰ゲームのノリにのれちゃうんだなあ・・・
きっとそんなの普通の事だよね。
そういうノリもいいから人気者なんだな・・・
納得できたけれども、やっぱり悲しい。
爽やかで憧れで尊敬してた人に
罰ゲームで嘘の告白されて
ひとつも傷つかないほど強くはなれない。
悲しくて涙出て来ちゃったけど
風早くんのことひどい人だとも思えないみたい・・・
だって風早くんは私に笑って『ありがとう。』と言ってくれた。
やっぱりいい人だって思うから。
このことで私が傷ついたなんて知ったらきっと
悪い事したって気に病むかもしれない・・・
風早くんにしたら、私を好きだと言った時点で
罰ゲームは済んだことなんだから
風早くんが罪悪感を感じないですむように
私は何も気にしてないよって顔して
明日学校に行かなきゃ・・・
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