「月刊少女野崎くん」とのコラボですが、
今回、野崎くんは名前しか出て来ません。
爽子ちゃんと、ちづちゃん、あやねちゃん、千代ちゃん
４人のおしゃべり回です。

[9回]

　　　

９　ちづちゃんとあやねちゃんは風早くんに厳しいみたい・・・　


なんとか無事今月の原稿は締め切りに間に合ったようで、
しばらくは野崎くんのお手伝いはお休みです。
今日は久し振りにちづちゃんとあやねちゃんとラーメンを食べに行きます。
あ、今回は千代ちゃんも一緒に。

「さあさあ、入って～！」とちづちゃんが誇らしげに
徹龍軒の暖簾を上げて千代ちゃんを招き入れる。

「千代ちゃんにもどうしてもここのラーメン、食べて欲しかったの。」
と言えばちづちゃんに、
「さーわーこー！それ、あたしの台詞！！」って怒られた。
「千代！期待して！絶対美味しいから！！オススメはミソ！！」
と、ラーメンのこととなるとちづちゃんは凄く楽しそう。

ラーメンには厳しいちづちゃんだから、
「ラーメンは一秒一秒が生命なんだから、ダラダラ食べるな！伸びるだろ！！」
って怒られるから、食べながらおしゃべりは楽しめないので、
いつものように食べ終わってから真田くんのお部屋に上がらせていただく。
もう私も慣れたけれど、初めての千代ちゃんは、
「え？真田くんの部屋？いいの？私も入って・・・。」って
私が初めてここに来た時と同じような反応、やっぱりそうだよね。
「ちづちゃんと真田くんはすっごく仲良しだから大丈夫なんだよ。」
って言ったら、
「そーなんだあ・・・いいなあ～。」と千代ちゃん。

「何言ってんの？千代だって野崎の部屋に何回も行ってんじゃん。」

「部屋って言っても、あれは仕事部屋だし、仕事しに行ってるんだし、
　それに、本人が居ないのに入るなんてありえないし。」

「野崎って言えばさ、最近やたらと風早に会いに来るよね。」
と、あやねちゃんが言えば、千代ちゃんが即座に答えてくれる。

「あー、あれね・・・モテる人の思考や行動の研究らしいですよ。
　野崎くんは『恋しよっ♡』の鈴木くんみたいな
　モテモテな人の行動とかイマイチわからないから、
　リアルにモテモテな人を研究したいみたい。」

ホントに千代ちゃんは野崎くんのことならなんでも知ってるんだなあ。

「まさか、鈴木のために風早を研究してんの？
　え～・・・あたし『恋しよっ♡』のファンなのに、鈴木の行動が
　風早を参考に考えられたりしたらやだなあ～・・・」

「さすがに鈴木くんにそのまま反映させるってことはないと思うよ。
　風早くんも鈴木くんとはちょっとタイプが違うと思うしね。」

「そ～だよね～。あたし、風早がなんでモテんのか全然分かんないし。
　あいつ、ただの頑固でヘタレなジェントルメンじゃん。」

「ちづにかかっちゃ爽やか王子も台無しだな。
　酷い言われようだね。爽子、怒ってもいいよ！」
っていきなりあやねちゃんが私に話をふってきた。

「えっ、えっ、えっ・・・いや、そんな、私が怒るようなことでは・・・」

「あー、そーかー、爽子、ごめん！
　でも、あたしの中では風早なんてそんなもんだから・・・
　そーだなー、爽子を幸せに出来るなら
　ヘタレくらいはとってやってもいいけど。」

「あ、だったら私、風早くんが好きだって思っていられるだけで
　充分幸せだからそれは外してあげてくれるかなあ。」

「えー・・・風早が頑張ったんならいいけど、それ、風早何にもしてないじゃん。
　風早がなんか頑張って、そんで爽子が今以上に幸せになったら
　考えてやってもいいかな―。」

「脱ヘタレへの道は厳しいね。」とあやねちゃんは楽しそうだけど
なんか風早くんが自分の居ないところでこんなふうに言われてるのは
可哀想な気がする。
う～ん、風早くんのどこが頑固でヘタレなんだろう？
ジェントルマンなのは確かにそうだと思うけど。

「あー、でも一応風早、行動起こしてんじゃん。
　野崎の手伝いに参加しに爽子と一緒に行ったんでしょ？」

「あ、うん！風早くんって本当に困ってる人とか放っておけない人なんだね！
　〆切り前で野崎くんが大変だって聞いたらすぐに
　『手伝いたい。』って申し出てくれたんだよ！本当にいい人だよね！
　ちづちゃんの言う、『頑固でヘタレ』っていうのは
　どういうところなのかよくわからないんだけど・・・。」
って私が言ったら、
「「「はあ～～っ・・・」」」って三人揃ってため息をつかれてしまった。

「そういうさ～・・・なーんにも爽子に伝えきれてないところがさー・・・
　頑固でヘタレで間抜けなジェントルメンだっていうの！！」

ああああ・・・なんか・・・増えてしまった！！
なんだかわからないけど、私が風早くんから伝えられたことを
受け取れていなかったからみたいなんだけど・・・
どうしよう～～・・・