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  二次創作の文を置いてます。 駄文ばかりに付き読後の苦情はご勘弁を。 コメントのパスワードは「君に届け」です。
                       
   
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今回の話はこの話の締めにと
珍しく前もって考えていたことだったんですが
なんか流れで書いてしまいました。

あと2ヶ月どうすんだよと自分で思ってる次第ですが
きっとイチャイチャして終わるんだろうな―。
自分で書いておいてなんか他人事ですいません。



拍手[7回]

   

   


19 爽子の話さなかったやりたいことと、俺が爽子の適合者になった経緯。

 

「し・・・翔太くんは・・・」と、泣きながら言うから、

「違う!」と、とりあえず言う。
なんか、爽子の思い違いの方向性が分かってきたような気がする。

「多分爽子は、俺が爽子との関係を終わりにしたいと思ってるなんて
 そーゆーこと考えてると思うけど、全然違うから!!」

「ふぇ?!」

「この話に泣く要素なんてなんにもないから、泣かないで。」
もう一度抱きしめて、少し長めのキスをして、髪を撫でて落ち着かせる。

「落ち着いたら一つだけ確認させて欲しいんだけど・・・」

「・・・ごめんね・・・うん、大丈夫、落ち着いた・・・よ。・・・なにかな?」

「まさかと思うけど・・・人間になる試練を終えた時に
 適合者の記憶を操作するなんてことはないよね?」

「それはないよ。
 私みたいに相手の人に全部話すことなんて
 多分無いから記憶を操作する必要なんてないもの。
 きっと他の人達(悪魔だけど)は試練が終わったら
 適合者の元を去って、新たに人間として生きていくんだと思う。
 適合者の人も、少し気になった人がいたけど連絡がつかなくなったな、
 とか思ってるうちに忘れちゃうんじゃないかな?」

「他の人達は・・・ってことは、爽子は違うんだよね?」

「わ、私は・・・翔太くんが私に心を開いてくれて人間になれたとしたら、
 その後も翔太くんの側にいたいと思っているの。
 そうしたかったから、全部正直に話して始めたいと思ったの。」

そう言ってくれて、よかったって思ったし、嬉しいと思った。
でも、最初から俺の中にあった引っ掛かりは消えてはいなくて・・・
爽子が笑顔を取り戻して懸命に説明すればするほど、
俺の心をチクチクと刺激する。
俺の名前は、『適合者』に置き換えられてしまう話なんじゃないかって。

「私にとって、全く知らない人とある程度付き合って
 そこそこ気にしてもらえる存在になるなんて、
 果てしなく無理難題に思えたの。
 でも、翔太くんとなら頑張ってみようと思えたの。
 私、翔太くんを選んで良かったなー・・・」


「・・・選んでないじゃん・・・
 爽子は俺を選んでなんか無いよね?
 俺は爽子がたまたま割り当てられた30人の中で
 たまたま一人だけ脱童貞しなかっただけの男だろ?」

こんなこと言ったら爽子が困るだけだって
分かってても言わずにいられなかった。

「・・・え?」

「一人だけしか残らなかったんだから・・・そんなの選んだって言わないよ・・・」

爽子の笑顔が凍りついた。
大きな目を更に見開いて床のどこか一点を凝視してつぶやいた。

「・・・違う、違うの、そうじゃないの・・・」

そして俺の目を真っ直ぐ見て、一粒涙を流して続けて言った。

「ごめんなさい。私気づかなくて・・・
 翔太くんにそんな風に思わせていたなんて・・・
 違うの!翔太くんはたまたま割り当てられたんじゃないの!!」

「選んだんじゃなくても、今爽子が俺を少しでも好きでいてくれるなら
 それでいいって思ってたんだけど・・・
 ゴメン、こんなこと言われても困るよなあ・・・」

「あ、あのね・・・最初にこの話をあえてしなかったのは・・・
 きっと翔太くんが私の気持ちを凄く重いって
 感じてしまうだろうと思ったからなんだけど・・・」

「爽子の気持ちが重い?」

「今聞いても・・・重いかもしれないんだけど・・・聞いてくれますか?」

そう言って爽子は俺が爽子の適合者になった経緯を話してくれた。



爽子が人間の家族に憧れていたこと。

自分も家族を持ってみたいと夢見たこと。

そのためには人間にならなければならないこと。

その条件が自分にとってとても困難だと思えたこと。

別の道も考えたけど、諦めきれなかったこと。

適合者のファイルを見てみて、その中に俺を見つけたこと。

俺のファイルだけとても特別に感じてくれたこと。

俺とならこの試練をやってみようと思ってくれたこと。

30人登録することになっていたから残りの29人を適当に登録したこと。

俺と夢を実現したいと思ってくれたこと。


つまりは、俺と家族になりたいと思ってくれていたこと。



  「  俺ばっかすきだと思ってたのに

               俺ばっかうれしい  」


そう言って、息ができないくらい抱きしめた・・・



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