先にできていたのは表紙の方で、
どうせならちょっと文章も付けてみようかなって軽い気持ちで書きました。
爽子ちゃん、お誕生日おめでとうございます！！

[7回]

　　　

ああ、今日も雪が降る。
今日だけはなんとか降らないで欲しいという俺の
ささやかな望みは聞き届けられなかった。

大学生になっても変わらず雪が降れば雪かきは俺の仕事だ。
おかげで折角北幌に帰って来ている爽子に
会いに行くこともなかなかままならない。

今日は大晦日、爽子の誕生日だっていうのに。

毎年毎年どうしてこうも大晦日はガンガン雪が降るんだろう。
この分では今年も夜遅くにプレゼントを渡しに走る事になりそうだ。

高校の頃、爽子は見るたび綺麗になって、俺はどんどん好きになって
大学生になって普段は離れて暮らすようになって、
たまにしか会えなくなったから尚更、会った時には一段と綺麗になってて、
最近はどんどん女らしくなって色っぽくなって・・・
正直俺は心配でしょうがない。

あんなに綺麗で可愛くて優しくて素直で色っぽい爽子なんだから
俺以外のやつが好きになっても全然おかしくない、
ってか好きにならないほうがおかしい。
爽子の大学にも男はいっぱいいるんだから、
きっと好きになる奴が出てくる。
爽子を信じてないんじゃないけど、
ほとんど毎日のように会える同じ大学のやつが
爽子に言い寄ってきたりしたらって思ったら、
離れている俺は気が気じゃない。

今は離れて暮らしてるけど、別れるつもりなんてあるわけないから、
俺がちゃんと仕事について、受け入れ体制を整えることができたら
給料の三ヶ月分の指輪を贈ろうって思ってるけど、
まだ学生の俺には結構先に話になる。


きっと爽子は喜んでくれるって思ってるんだけど、
どっちかって言うと爽子のためっていうか、俺のために
今日の誕生日プレゼントに、仮予約っていうか、そんな感じで・・・
俺のバイト代、３週間分の指輪をもらって欲しいって思ってるんだ。

まあ、男除けって意味も多分に含んでるんだけど・・・

結局また逢えたのは爽子が生まれた時間くらいになっちゃったけど、

「まだちゃんとしたのは贈れないけど
　どうしても指輪贈りたくて・・・」

って言って、指輪を渡した。

爽子はとっても大切な壊れ物みたいにそっと受け取ってくれて、
凄く嬉しそうに綺麗に笑って、

「ありがとう・・・私、一生大事にするね。」って言ってくれた。