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二次創作の文を置いてます。 大したこと無いモノしかありません。 読後の苦情はご勘弁を。
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帰りのバスの中です。
殆どピンと風早先生の会話。

「こんなかおもするんだなあ」って
思ってたりしたかもしれない、爽子ちゃんが。






6 舌戦

オリエンテーションは一応つつがなく終わり、
宿泊施設からバスに乗って学校まで帰る。

バスの一番前の列には、俺とピン、通路を挟んで、
クラス委員長の黒沼、副委員長の三浦が座っている。

「風早ー、あの噂ってホントなの?」と後ろの席の女子が訊いきた。

「ああ・・・そういうこと言われて断ったのは事実だけど・・・」
と俺が言えば横からピンが割って入ってきた。

「高校時代、どこがいいんだかしらねえが、こいつやたらとモテてて、
 ことごとく断ってたのも事実だぞ~。」
と余計なことを言う。絶対面白がってる!!

「ピン!!よく知りもしないでわかったようなこと言うなよ!」

「何言ってやがる!俺は翔太のことは何だってわかってるってんだ!!
 俺は子供の頃から翔太のこと知ってるし、
 高校の頃は三年間担任だったんだぞ!」

「えー!ホントにー!?じゃあマジで告白され慣れしてて、断り慣れてるの!?」
ピンが面白がるもんだから、女生徒もガンガン食いついてくる。
もうやめてくれよ・・・

「おお、マジだぞ!女子が勇気振り絞って告白してんのによ、
 全部断っちまいやがんの。そーゆー冷たい男なんだよこいつは!」

「え?全部?付き合ったりしなかったの?」

「あー!もー!余計なこと言うなよ!ピン!!
 俺はただ、全力で部活頑張りたかったんだよ!!
 女子と付き合ったりとかしながら出来るほど器用じゃなかっただけだよ!」

「翔太に女ができたって話、聞いたことねえんだけど・・・
 まさかおまえ・・・大学でもそうだったのか?」

「わりぃかよ!!」

「もしかして、お前、25にして未だ童貞!?」って、
何を大声で言ってくれちゃってんだよ!

「っっ!!」
言葉に詰まった俺は、空気で肯定しちゃってた。

「『女なんかに興味はねえよ。』なんて、カッコつけてたんじゃねえの?」

「興味ないなんて言ったことない!あるよ!ふつーに!!」

「付き合ったりはしないのに興味はあるのか・・・それ、おまえ・・・
 むっつりすけべだな!!」

「――俺はすけべでもむっつりじゃない!」

「おー、お前ら聞いたか?こいつはこんな無害そうな顔してっけど、
 どすけべだからな~、気をつけろよ~!!」

「・・・ふつーだよ、ふつー!!
 それに俺、生徒に手は出さねえよ!」

「そんなこと言う奴に限ってうっかり孕ませたりしてな!
 あー、そりゃねえか!お前童貞だったな!」

「ピンだって不惑目前で独り身じゃん!」

「俺様が結婚しようと思うほどの女が現れないんだよ!」

「俺だって付き合いたいと思うような女の子に出逢ってないんだよ!」

ふと、黒沼と目が合って我に返った。
バスの中で何を言ってんだ、俺は!

そうだな、出逢ってないっていうのは嘘になる。
でも、黒沼は生徒だから今は教師としての俺の信念に反するから
そーゆー風に見れない、いや、見てはいけない、見ないようにしている・・・んだ。

ふと気がついたら、俺とピンが黙ったらバスの中はシンと静まり返っていた。

バス中が、つまりクラス中が俺とピンの会話に耳を傾けてたってことか?
ぐわ~、俺、凄く恥ずかしいことピンに言われた気がすんだけど・・・


「あー、センセー方、そろそろ学校に着くみたいっすよ~。」と三浦。

「あ、ああ・・・」と、俺。もうどっちが教師だか・・・。


学校にバスが着いて、もう一度点呼して解散となった。

トトッと俺の前に黒沼が駆け寄ってきて、
「風早先生、二日間お疲れ様でした。
 明日はゆっくりなさってくださいね。」とにっこり笑ってくれた。

黒沼が俺に笑顔をくれたのは初めてじゃないだろうか・・・
この笑顔は・・・俺、ひとりじめ・・・なんて、何考えてんだ!

ひとつお辞儀をして踵を返して帰ろうとする黒沼に
「委員長・・・あの・・・」と、バスの中での話に言い訳したくなって
引き止めるようなことを言ってしまえば

「はい?」と、いつもの真面目な顔で振り返って立ち止まる。

だけど何を言う気なんだ・・・

「『付き合いたいと思うような女性に出逢ってない』なんて嘘で、
俺は黒沼のことそーゆー風に思っちゃってるけど、
今はまだそーゆー風に見ないようにしてるんだよ!」

って・・・黒沼が俺を好きなわけでもないのに
そんなこと言ってなんになるんだ・・・


「あ・・・いや、なんでもない。委員長もいろいろご苦労様。」

「あ、いえ・・・では、失礼します。」

「あー、うん・・・気をつけて帰れよ。」


会釈をして去っていく黒沼にスッと三浦が駆け寄って来て、
送っていくつもりのようだ。

黒沼の旅行バックをヒョイと三浦が持てば、
「あああ・・・そんなの重いし悪いよ!
 自分の荷物は自分で持つから~・・・」
と、黒沼が言ってるのが聞こえてくる。

それを見送りながら凄く勝手にため息がひとつ出た。

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