俺は走り去る黒沼を呆然と見送った。
な・・・なんで黒沼が謝るんだよ?
いや、でも、あれは一体何?
黒沼、なんであんなことしたんだろ?
こ、困るよ、黒沼があんまりかわいすぎて・・・
俺のなけなしの理性が敵うわけないじゃん!
ふと我に返って追いかけようと思った時には、
もう黒沼の姿は見えなくなっていた。
そうだった。
黒沼は脚が速いんだ。
そういう物理的な意味ばかりじゃなくて、
なんかいつも捕まえきれない。
俺なりにいつもそばに居たい気持ちを
結構アピールしてると思うんだけど
なんかスルスルすり抜けて
一向に届いてない気がする。
今日も全然気持ちは届いてそうもないけど・・・
でも俺、キスしちゃったんだな、黒沼と・・・
なんか話には聞いてたけど、
ホントに唇って熱くて柔らかくて甘いものだったんだなあ・・・
俺はすごく嬉しいけど黒沼はどう思っただろう?
なんか俺、勝手にしちゃったし。
でも俺の服を掴んで目を閉じて待たれたら思わずしちゃうよ!
だっておれ、黒沼の事好きなんだし!
だけど俺だってこんな風にするつもりはなかったんだ。
ちゃんと黒沼と気持ちを通わせてから
びっくりさせたりとか、奪っちゃったとかじゃなくて・・・
吉田や矢野に言われるからじゃなくて、
黒沼に無理させずに紳士的に接していきたいと思ってたのに。
せっかく『憧れで、尊敬で』なんて言ってもらっときながら、
これから流石に警戒されるかも・・・
とりあえず、明日、もう一回ちゃんと謝ろう。
とりあえず、明日、もう一回ちゃんと謝ろう。
それしか無いよな・・・
PR
この記事にコメントする
カウンター
カテゴリー
最新記事
(08/10)
(03/25)
(10/26)
(09/30)
(08/31)
(08/23)
(08/21)
(05/15)
(02/17)
(01/28)
ブクログ本棚
プロフィール
HN:
かのまま
性別:
女性
趣味:
絵を描いたり文字書いたり。
自己紹介:
このブログとPixiv以外で作品の公開はしていません。
印刷物の制作等はしていません。
日本語以外に対応できる語学力は持ち合わせていません。
印刷物の制作等はしていません。
日本語以外に対応できる語学力は持ち合わせていません。
AdMax