10 爽子視点
女子会議の後、ちづちゃんとあやねちゃんに付き合ってもらって
お弁当箱を買いに行きました。
男の子ってどれくらい食べるものなんだろう。
ちづちゃんもあやねちゃんも男の子のために
お弁当箱を買ったことなんか無いらしいので
どうしようかと思いながら、
「売り場に行けばなんとかなるんじゃない?」とあやねちゃんが言うので
とりあえず、ホームセンターのお弁当箱売り場に行ってみた。
ちづちゃんもあやねちゃんも付いて来てくれると言ってくれて
本当に友達って有難いなあってまたまた実感、感動、ありがとう~!
売り場についたら、『中高生におすすめ!』というポップのついた
お弁当箱を見つけた。
850mlと1000mlの二種類があって、どっちにしようか
三人で協議の結果、
「風早は部活してるわけじゃないし、850mlの方でいいんじゃない?
1リットルのなんか可愛げないしさ。」というちづちゃんの意見で
黒いプラスチック製の蓋にお箸を入れられるのに決定。
うん、確かに1000mlのはアルミ製でそれ以上大きいのがないから、
『うちの子、よく食べるから一番大きいこれでいいわ!』って
お母さんが買っていくお弁当箱な感じがするもんね。
「でもさ、一回きりなのにお弁当箱買うの?爽子・・・」
「え?うん、あのね、これを機会に
これからも時々食べてもらえたらいいなって・・・」
「あ、そうなんだ~・・・そりゃ、風早、喜ぶわ!」
「そ、そうかな・・・」
「当然じゃん!愛妻弁当だもん!」
「あ、愛妻だなんて、まだ早い・・・っていうかそんな恐れ多いこと・・・」
「あたし、彼氏が居てもそんな面倒なことしようなんて思わなかったもん。
うん、やっぱり爽子は女子力高いよね!!」
「え?そう言うのって、お化粧が上手だったり、美容に気を使ってたり、
ファッションセンスが良くて、可愛く着こなせる人のことを言うんじゃないの?」
「んー、まあ、そう言うのもそうだけど、要するに男がどう思うかなわけじゃない。
風早なら、美味しいお弁当作れるとか、コースター編めるとか、エプロン縫えるとか、そういう娘の事をいいなあと思うと思うんだけど。」
「そーだよ!だから風早は爽を好きなんじゃん!」
ホームセンターを出て駅の前で三方向に別れてそれぞれ家路についた。
二人は『風早君は私を好きなんだから』と言ってくれるけど・・・
ずっと好きで居てくれるかなんて分からないよ。
風早君を信じてないとかじゃないけど、
やっぱりずっと好きで居てもらえるように頑張らないと怖いの。
だって風早君が私を好きだって言ってくれるだけでも奇跡だもの。
いつ『気がついたら好きじゃなくなってた。』って
言われたとしてもおかしくないと思うもの。
私、風早君が私を好きだって言ってくれて凄く嬉しかったんだけど、
私のどこが良くて好きになってくれてのか分かってなかった。
そうか、風早君はお料理とか手芸とかする女の子が好きだったんだ。
でも、そんなの私よりも上手にする人はいっぱいいると思うし、
その人が可愛くておしゃれな人だったら、
風早君はその人のほうを好きになっちゃうかもしれないんだ。
そんなの嫌だけど、しかたのないことかもしれない。
でも、まだ今はそうじゃないんだから、
私は出来るだけのことをして、好きで居てもらえるように頑張るんだ!
だ、だから、明日、お弁当も作るけど・・・
キ、キスも・・・頑張って・・・み、みようかな・・・・
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